さて、この作品のテーマは、アナキンとパドメの”禁じられた愛”である。
ジェダイに恋愛は御法度だが、アナキンは、10年ぶりに再会した美しいパドメ
への恋心を抑えることができない。パドメも、成長したアナキンに次第に引か
れていく……。
アナキンは、非凡なフォースの持ち主ではあったが、自信過剰で攻撃的な青
年だった。
前作で殺されたクワイ=ガンの遺言に従い、アナキンを弟子にしたオビ=ワ
ンだったが、彼はアナキンの性格を憂慮していた。アナキンは、ジェダイの教
えや掟を軽視しがちだった。
ジェダイ評議会は、オビ=ワンにパドメ暗殺計画の首謀者の捜査を、また、
アナキンにパドメの警護を指示する。まだ修行の浅い弟子に、単独行動を命じ
る評議会も評議会なのだが。
とにかく、こうして二人がともに時を過ごす機会を与えられ、お互いの気持
ちを深めていく。
若い二人が戒律を破り、恋に落ちるストーリーは、映画として格好のテーマ
だ。ところが、ここでも製作者は、耽美主義的な視覚の快楽ばかりに気を取ら
れ、基本を見失っているようだ。
まず、二人の演技が、救い難い。とくに、パドメは前作から引き続いて同じ
役者が演じているのだが、以前にも増してダイコンである。
アナキンも、これまたひどく、二人が演じるラブ・シーンは、素人芝居を通
り越して、学芸会以下である。
二人とも、まったくセリフに感情が込もらず、真剣に愛を語るシーンでも、
吹き出してしまうどころか、もう呆れ返るばかりだ。
とくに、セリフの録音は、特撮や合成とは、何の関係もない。合成が複雑だ
から、芝居が不自然になったという言い訳は成り立たない。監督のルーカスは、
いったいどういう感性をしているのだろう?
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