がんこ本舗社長の木村正宏さんは、マゾである。１９７０年代の東京農大・山岳
部という、いじめられる最高峰のような世界に身を投じて、ヒマラヤでの日本人
初登頂までやってしまった。

私が初めて木村さんに出会ったのは、下北沢のレストラン「裏窓」。ここでも、
木村さんはみんなにからかわれていじめられて喜んでいた。「海の精」という高
級食用塩の事業にかかわっていあたときだ。

今の奥さんである、みどりさんを口説きにきていたときにも、
犬を風呂に入れる係りとして犬以下の扱いをされては、幸せそうに
夢を語っていた。そんないじめられっ子の木村さんが「何年たっても、
オレがからかえるのはギンちゃんだけだよ」と、再会を大喜びでした。