インフラ海外拠点インドネシア | 南の島

インドネシア・四方山話 <12>

雨季雨季ロンボッ



Lombok Island
 
2月の始め、インドネシア・ジャカルタは水没しました。首都・ジャカルタの
目抜き通りタムリン通りが、腰まで浸かる水没、、、熱帯の自然の驚異という
ところでしょうか。
そう、インドネシアは今、雨季です。
この雨があるから稲が育ち、香り高い果物が熟れる。雨季は果物がおいしい季
節でもあります。
もっとも流された家、死傷者をかんがえるとそんなことも言ってられませんが。
 
雨季のロンボッ島。これほどのんびりできる所はないでしょう。
ていうか、のんびりするしかない。
雨季、加えてツーリストの激減。みんな頭いたいみたい。
      お客さんがこないのよ?。
 
ロンボッ島のいわゆる「観光地」を見てみることにする。
スカララ村のオバちゃんたちが織るイカット(絣の布)や、金糸・銀糸を織りこ
んだソンケット。
そのモティーフはニワトリだったりササック族の家だったり、花だったり、金
糸・銀糸をおりこんだソンケットはもう、華やかで目をうばわれます。
オバちゃんたちは、体を機織り機にくっつけてお昼ご飯くらいしか食べずに、
一日中パッタン、パッタン、パッタン、パッタン.....
      ”オバちゃん、結構たいへんだねぇ。”
女のシゴトは結構ハードなのだ。
         ”このイカット(かすり)のモティーフはなぁに?”
      ”女たちがシゴトを終えて腰をトントンたたいている図。”
言われてみればそう見えなくもない。
で、
一通り見て周るとお店の人は売る気まんまん。
ワタシは後ずさりしてオモテへ出る。汗、汗、
      ”買ってもいいけど重くなるのがねぇ”
たかが布。たいした重さじゃない。でもォ、でもォ、、、つぶやくワタシ。
友人の采配で、
      ”これからクタとか他を周って帰りに寄るよ。”
そう言ってその場をたちさる。
 
で、つぎ。焼き物の村。素朴な素焼きの壷やポットやお皿。
下書きもせずに模様をガンガン書いていく。
      ”ふ?ん、うまいじゃない。アーティスト肌だねぇお兄さん。”
お兄さんはワタシに目もくれずガンガン書いていく。
あっという間にトッケイ(やもり)イッチョあがり。
女の子がくっついてくる。店内を、ワタシが右に動けば右に。左にまがれば左
に。クルッと振返ると、あいまいなほほ笑みをなげかけてくる。
      ”あ、もしかして接客ぅ?”
2、3周店内を回遊したあと、女の子がチロッと見るので小ぶりの壷を買う
ことにした。
      ”好感接客ぅ?”
とっても、とってもアグレッシヴな接客のあとは、あいまいな接客にヒモが
ゆるんでしまうもの。
でもここの焼き物はインテリアに使えますよ?
「観光地」というにはあまりに産業がなく、それがのんびりした雰囲気を
かもしだしていて「鄙びた感じ?」って言う人もいるけど、
「ヌサ・トゥンガラ、イマイチねぇ」っていう人もいるけど、
        けど、けど、好きです、ロンボッ。

そして海。
”雨季に泳いでる人はいないよ?”
でもとりあえずビーチ!
2月の始めに「ニャレ祭」が行われたクタ・ビーチ。 ニャレは糸ミミズ科の
海にいる生物で繁殖期は蛍光に光るそうです。ここの人たちはニャレを味見し
て、今年の豊作を祈るのだとか。
ニャレ祭がおわると田植えの季節。
アジア一、きれいなビーチといわれるロンボッ島、クタ・ビーチ。
ホワイトサンドのタンジュンアン・ビーチ。
車をおりていくと、寄ってきた、きた、物売りさんたち。
サローン(腰にまく布)を売りにきたスリィおばちゃんは、もう6日間も売りに
きているけどツーリストが減ってぜんぜん売れない。お父ちゃんもいなくて、
子供が3人もいて、だから、とっても、とっても、がんばる。
      ”そっか、じゃあ買う”
あっさり買う気になった。
でも広げていると他の物売りくんたちも寄ってくるから、おばちゃんの村まで
乗せていくことにする。案内してくれていた友人の采配だ。くっ付いてきてい
た子供もいっしょに。
2万ルピア(270円)でサローンを、子供からは木彫りのトッケイのペンダント
と、ペット・ボトルに詰めた砂を、5000ルピア(70円)で。
ササック語でおばちゃんと友人はずっとしゃべっている。
 
友人が言う。「yuriko、スリィおばちゃんほんとうに嬉しそうだよ。良いこと
をしたからきっと良いことが返ってくるよ。良いカルマは良いカルマを生むよ」
           ”ふぅ?ん、そんなもんかなぁ?”
でも悪い気はしない。 「いい人かぁ」 「いい人ねぇ」
ルンビタン村に着いてスリィおばちゃんがホントにうれしそうに、ワタシの手
をとって、
       ”テリマ・カシィ、バニャッ (ドウモアリガトウ)”
と言って降りていく。
       ”おばちゃん、ありがとね。”
そういって後姿を見送った。
ササック族の里は貧しい。 ササックの女衆はたくましい。
男衆がマレーシアやシンガポールに出稼ぎに行っている間、女衆が留守をキリ
モリする。
お父ちゃんたちが遠くに行かなくても働けるところがあるといいのに。
米はとれる、果物も豊富だし、こんなにすんばらしい自然があるのだから。
みんな、みんな2ヶ月さきのツーリスト・シーズンを待っている。

続く