まずは、2005年10月16日付大手米紙の社説の要約をご紹介したい。
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『ロサンゼルス・タイムズ』 2005年10月16日付
−神社を避けろ
先月、上海の若い大学生は、「多くの私のような若者たちが、日本を憎
んでいる」と手加減なく語った。
彼女は、自分たちの日本人に対する反感は中国政府のそれを上回ると述
べたが、近年の中国政府の日本政府に対する激しい非難を考えると、かな
りの発言だ。
日本は何度も謝罪したが、中国政府は満足しない。
中国政府の統制下にあるメディアは、中国じゅうに共産党の方針を配信
し、戦後生まれの親を持つ若者までこれに傾聴する。
反日の論理が、中国政府にとって、国民の注意を中国が抱える問題から
そらす便利な道具であったとしても、日本の小泉首相の毎年の靖国神社参
拝のような出来事によって、きっかけを与えられる。
小泉首相は、今年はまだ参拝していないが、参拝するべきではない。
再び参拝すれば、中国だけでなく、韓国や半世紀以上前に日本が侵略し
た他のアジアの国々の反発を招くだけだ。
先月、日本の高等裁判所が、小泉氏の首相としてのこれまでの靖国神社
参拝は、違憲とした。
靖国神社の隣には、侵略と戦争は、米国と連合国の帝国主義へのリアク
ションだという、日本の少数派意見を是認する博物館がある。
最近の世論調査では、51%が小泉首相の再度の参拝に反対、44%が
賛成している。
靖国神社を避けても、国内的にはあまり損害がないが、参拝すれば首相
と日本は国際的な損失を被る。
日本が戦没者の追悼施設の必要を感じるなら、終戦まで国家宗教だった
神道と関係のない施設を建てるべきだ。
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ご存じのとおり、この社説が掲載された翌日、2005年10月17日
に、小泉首相は靖国神社を参拝した。
そして同日、米国務省マコーマック報道官が、小泉首相の靖国神社参拝
について、コメント。
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ショーン・マコーマック米国務省報道官の定例記者ブリーフィング
2005年10月17日
http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2005/55210.htm
Q: 日本の小泉外相(原文のママ)が、日本の神社を再び参拝し、中国
と韓国が怒りを感じるとともに、来るAPECサミットについて非常に
懸念しているが、あなたもそうか?
A: まず第一に、あの地域の国々が力を合わせ、友好的に対話によって
歴史問題を解決することを望む。あの地域の歴史は、誰もが理解してい
ると思う。誰もが、あの地域の敏感性と懸念については、理解している
と思う。
そして、われわれは、この問題に懸念を抱いている国々が、日本政府
と一緒に、対話と友好的な精神を通して、これらの懸念を解決すること
を望むのみだ。
イエス(注:質問者の指名)
Q: この問題についてフォローアップしたい。
小泉首相が靖国神社を参拝するたびに、中国政府や韓国政府が日本
政府にたくさん文句を言うが、これは、彼らが日本の軍国主義の復活を
恐れているからだろう。
政府は、日本の軍国主義の復活を懸念しているか?
A: これもまた、他国の懸念の具体的理由を述べることは、各国に
委ねたいと思う。
われわれは・・・これは、よく知られている歴史だと思う。
われわれは、これらの懸念の根拠を理解している。そして、その具
体的な説明は、各国に委ねる。
われわれは、あの地域のすべての国々がよい関係にあることが、共通
の利益だと考え、この点をかんがみて、彼らが対話や交渉、敬意を払い
あった対話意を通じて、懸念を解決してもらいたいと望む。
Q: 今年は、第二次世界大戦終戦60周年だ。また、10年前は、終戦
50周年だった。
今年も50年前も、日本政府は、戦前・戦中のわれわれの残虐行為に
ついての哀悼と謝罪を発表し、われわれの自己検証を表明した。
あなたは、この表明を評価するか、それともじゅうぶんではないと考
えるか?
A: 前の質問への回答をもって、代えさせてもらいたいと思う。
Q: すまないが、それについて、もうひとつフォローアップしたい、シ
ョーン。
この、過去の歴史についての対話を維持することにおいて、これは、
日本政府に、(靖国)神社参拝などの、挑発的だと解釈されるような行
為を控える義務があると考えるか?
A: この問題について、これ以上、発言することはない。
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