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『ザ・タイムズ』（英）        ２００５年６月１４日付
        −アジア；神社をめぐる取り引きを拒否した東條家

  連合国の戦犯裁判で絞首刑に処された日本の戦時の首相、東條英機の遺
族が、国家主義神社から彼の祭神を分祀して、中国との痛烈な論争を緩和
するプランを、決然と拒絶した。

  東條の孫が本紙語った発言は、４月の中国各都市で暴力的なデモが発生
するほど悪化した日中の争いを沈静化しようとする努力を、さらに厄介な
ものにするだろう。

  靖国神社には、１９４８年に絞首刑に処せられた東條をはじめとする、
Ａ級戦犯が祭られている。

小泉首相は、平和を祈るために靖国神社参拝を行っていると主張するが、
中国は、彼は戦犯に栄誉を与え、日本が戦時の侵略に対する反省が欠如し
ていることを示している、と主張している。
  最近、自民党議員がＡ級戦犯を分祀して、譲歩する提案を行った。

  だが、分祀には、遺族の了解が必要だ。
  昨日、東條大将の孫・東條由布子氏は、彼女の一族は絶対にこのような
提案に同意しない、と語った。

  「同意すれば、東京裁判や日本が侵略戦争を行ったということを受け入
れ、外国の圧力に屈することになります」。

  中国や韓国、与党議員を含む政治家や活動家、７人の元首相からの圧力
が増えているにもかかわらず、小泉氏には年一度の靖国神社参拝を中止す
る気配がない。
  彼は２００１年の総裁選の際、強力な政治団体である遺族会に、年一度
の靖国神社参拝を約束した。
  だが、その遺族会でさえ、小泉首相に隣国に理解を示すよう促した。

  しかし、小泉氏には変心の気配がなく、Ａ級戦犯分祀が浮上していた。

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  小泉首相と、果敢な東條由布子氏の頑迷さが、英語圏中に伝えられてい
る様子。

  さて、お次は、意外かもしれないが、台湾の英字紙報道をご紹介したい。
  台湾といえば、これほどの親日国家はないと、石原慎太郎・東京都知事
や小林よしのり氏らが、ごひいきにしているわけだが、実は、その内情は、
彼らが言うほど単純ではないことが伺える。