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海外メディアの"靖国神社"報道 2

(報告:常岡千恵子)


 続いては、米有力紙の靖国報道の要旨をご覧いただきたい。

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『ロサンゼルス・タイムズ』(米) 2005年6月6日付
     −激化する戦争の神社についての論争;
       小泉首相の、戦犯と英雄に栄誉を与える神社参拝の中止を
         求めて、内外から圧力がかかる日本
 アジア中に熱気ある怒りを放射する、論争の的の日本の戦争神社は、東
京の騒がしさの中にありながら、静かな場所だ。

 小泉首相が、この神聖な地に、これ以上足を踏み込むべきでないと信じ
る日本国民が、急増している。

 日本の隣国、とくに中国と韓国は、今年も靖国参拝を行うと誓った小泉
首相を批判している。

 だが、最近、小泉首相は、日本の政界からの厳しい批判にも直面しはじ
めた。

 何人もの有力政治家やメディアが、公然と首相の靖国参拝中止を求めた。
 一部には、無宗教の戦没者慰霊碑を建立するプランの復活を求める声も
ある。

 今春、複数の都市で暴力的な反日デモが行われた、中国との関係悪化へ
の懸念が高まっている。
 中国は日本にとって、米国に匹敵するエコノミック・パートナーであり、
日本の経済界は警戒感を高めている。

 2週間前、中国の呉儀副首相が、小泉首相との会談を中止して帰国した
事件は、彼らのムードを暗いものにした。

 だが、小泉首相が、国民のムードに屈する気配はない。
 一部の政治家から、14人のA級戦犯の分祀をほのめかされた靖国神社
も、これを拒否した。

 靖国問題は、A級戦犯合祀を中心としているものの、靖国神社の歴史観
も問題視され、日本の指導者の訪問にふさわしい場ではないという批判が
ある。

 靖国神社には、19世紀以降の日本史を、欧米の植民地主義から日本と
アジアを解放した高貴な戦いとして展示する、博物館がある。

 この博物館は、見栄えよく製作されたビデオや展示を通して、日本には
一連の自衛戦争を行うしか選択肢がなかった、真珠湾攻撃はルーズベルト
米大統領が仕組んだ、日本を悪者にするための陰謀だった、東京裁判は勝
者の正義を表す不当行為だった、と主張する。

 また、この博物館は、日本による台湾、朝鮮半島、その他の地域の支配
のおかげで、アジアを欧米の支配から解放するための運動が生じたとする。
 博物館は、戦争中の日本の残虐行為を認めることを拒んでいる。

 政府は、結束の固い遺族会を中心に維持されている靖国神社の歴史観に、
介入できない。
 小泉首相は、2001年の自民党総裁選で、毎年8月15日、日本の降
伏記念日に靖国神社に参拝すると約束し、この民間団体の支持をとりつけ
た。

 彼の過去4回の靖国参拝は、この極度に感情的な日には行われていない。
 世論のムードは、小泉首相の参拝中止へと大きくシフトしているかもし
れないが、遺族会や愛国主義団体は、声を大にして、首相に公約を守るこ
とを求めている。

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 この米紙の記事も、単にA級戦犯合祀だけでなく、靖国神社の歴史認識
を問題にしている。

 とくに靖国神社に付随する博物館、"遊就館"の展示内容は、米国民に
は受け容れがたいもののようだ。

 個人が私的にどんな思想を持とうと自由ではあるが、やはり東京裁判を
受け入れた日本の首相が公式に参拝する場としては、問題かも。

続く