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男たちの大和/YAMATO | |
戦後60年記念作品 製作総指揮/高岩淡 広瀬道貞 製作/角川春樹 監督・脚本/佐藤純彌 原作/辺見じゅん「決定版 男たちの大和〈上〉〈下〉」 出演/反町隆史 中村獅堂 仲代達矢 鈴木京香 他 |
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私が戦艦大和についての書籍から強く印象に残っているものがいくつかあるのだが、その点はことごとく外されていたような気もする。 まず、戦艦大和を建造していた技術者たちの夢と誇りに満ちた物語。そして戦艦大和建造における機密保持ゲーム。 そして、レイテ海戦に向けた猛訓練。そのとき大和を含む日本海軍の主力艦隊は、油田のあるブルネイを拠点にしていて、石油をふんだんに使えたものだから、かなり緻密でハードな訓練を繰り返していた。 映画の中では、このような頭脳プレイ的な訓練のシーンや、訓練の蓄積から、乗員たちが戦術的スキルアップしてゆく過程には触れていなかった。こういう流れも、映画で表すにはいいシーンに思えるのだが。 で、結果を先にいってしまうと、このシビアな訓練の成果はぜんぜん発揮されず、無念にやられまくっていくわけだが、これがまた日本軍らしくて美しくていいって感動する人も多いんじゃないかな。 涙ちょちょぎれるシーン作れるよ。 映画中に、レイテ海戦のシーンはあったが私が好きなシーンがなぜか全面削除。 そして、レイテ海戦のハイライト、戦艦大和を含む日本艦隊が米空母部隊を攻撃し、空母「ガンビアベイ」を撃沈したときの戦いが削除されていた。この空母は、逃げながら雷撃機を発進させては大和のほうへ魚雷を放ってきたり、護衛の米駆逐艦も頑張ったため、実は日本艦隊はうまく追撃ができなかった。このシーンなんて、大和の主砲もガンガン発砲するわけだしおもしろいと思うんだが、なぜか完全削除されていた。 で、現実には、大和の砲弾はほとんど命中せず、他の戦艦や重巡洋艦の砲弾が戦果を上げたらしいんだけど、それは戦後に明らかになることなので、映画の中では、大和乗員が歓喜に満ちていてもいいだろう。なんで、この歓喜に満ちたシーンも完全削除にしたのだろうか。映画界ってよくわからない。 映画の中では大和が最後の出撃ということで沖縄へ行くことを末端の水兵ばかりでなく、呉の一般庶民たちも知っていた。たぶん、真実もそんなもんだったろう。日本人が軍事作戦の機密にまったく無頓着なことがよくわかるね。ミッウェー海戦のときも、同じような機密漏洩をやりまくってたのである。 戦艦大和の沖縄行きは決死の特攻かどうか。無駄死に作戦かとかいわれている。 ちなみに、大和最後の戦いで、大和が食らったのは、魚雷10発と爆弾5発。 現在の海上自衛隊も、操艦テクニックではレベルが高いというプライドを持っているわけで、日本海軍魂を表現するためには、大和の操艦テクニックの素晴らしさも映画の中に入れても良かったんじゃないかな。
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