この本が出版される直前に尼崎の福知山線で悲惨な脱線事故が生じた。第2版以降は帯にこの事故のことが記されるのだろうか。
鉄道に関する本は、マニアックな専門本と、文学的なエッセイの2種が存在する。敬愛する故宮脇俊三氏は豊富な専門知識を持って、やや文学寄りにまとめた希有な作家である。鉄道の世界は成熟しているため、文学においても、宮脇氏ほどではないにしても平均以上の鉄道知識がなければなかなか参入できない。
さて、この本は表題からはマニアックな専門本のようだが、実際は軽いタッチのルポである。文学にも到達していない。作者のプロフィールは知らないが、マスメディア(新聞、TV番組)の特集に丁度良い内容である。もしかしたらプロジェクトXを意識して出版したのかもしれない。最近はあまり読まなくなったが鉄道時刻表を愛読していたので、このレベルではあまりトリップできなかった。
ここで福知山線の事故について感じたことを記す。
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