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「帝都東京・隠された地下網の秘密[2]」秋庭俊 洋泉社 |
第1作の続編というかたちになるとは思わなかったが、1作に比べて格段に読みやすくなっている。 文章単体の読みやすさではなく、章立てがわかりやすくなった。1作は、各章に関連する項目が散り ばめられていて、ある程度連続して読まないと取り残されてしまうような感じだった。2作は章立てが 明確で、極端な言い方をすれば目次を見れば、ある程度帰結させたい方向性を見出せる。これは、 作者が長文のレポートに慣れたというよりは、編集者が「その気になった」という気がする。1作を読ん だとき、構成の悪さにフラストレーションを感じたが、今回は気持ちよく最終章に至った。また、図版も 的確である。1作は本文と図版が合わないケースが多かった。このあたりは、本を出版する際の留意 点なのかもしれない。 2作では交通インフラに関する記載は少ない。1作で記しているので1作を読んでいる人は問題なく 理解できるが、この本は2作だけを読んでもある程度楽しめるかたちになっているので、概要は記し た方が良いだろう。ところで、1作で気になった首都高速道路に関する記載はほとんどなくなってい る。数ページに関連する記載があったが、あまり本題には関係はない。 ところで、首都高速に関する記載は相変わらず「思い込み」が多い。三宅坂のパニックポイントをキ ーにした項目が1作に引き続き見受けられたが、パニックポイントは10年以上前にチャンネリゼーショ ンで解消している。また、三宅坂はインターチェンジではなくジャンクションである。このあたりは細か すぎるかもしれないが、在京の人でも首都高速を日常的に利用しない人はこのような思い込みは永 遠に続くのだ。先日、某新聞で「東名高速道路用賀インターチェンジ」というロゴで東京TB(トールバ リア)の写真が掲載されていた。あきれて文句を言う気にもならない。さて、この本では「四谷」と「四 ツ谷」のような地名記載へのこまかい拘りがキーになっている箇所もある。「霞ヶ関」「霞が関」など、 拘りは多数に及ぶ。それに比べて道路に関する記載があまりにも大雑把なので気になった。 当方は道路しか詳しくない。道路以外のあらゆる分野はマスコミの情報を一応信頼することにして 3作目よりも、「と学会」の動きが気になる。学会はある程度メジャーでおちょくりがいのあるネタを選 |