ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

東名高速の堂々たる欠番「No.2」−2



ここで、首都圏、名古屋圏の環状系路線を含むすべての接続を列記する。

◆写真S2
尾羽JCT(仮称)
東名高速道路下り線から尾羽JCT、清水IC方向をのぞむ。
(2008年5月12日、著者撮影。)
4)ほかの路線との接続

 <計画>No.2 世田谷JCT(仮称)→東京外環自動車道
 <計画>No.2−1 宿河原JCT(仮称)→首都高速川崎線
 <2010年開通予定>No.4−1 海老名JCT→R468:首都圏中央連絡自
動車道
 <計画>伊勢原JCT(仮称)→新東名高速道路
 <2012年度開通予定>御殿場JCT(仮称)→新東名高速道路
 <2012年度開通予定>No.9−1 尾羽JCT(仮称)→中部横断自動車道
 <2012年度開通予定>No.17−1 三ヶ日JCT(仮称)→R474:三遠
南信自動車道
 No.19−1 豊田JCT→伊勢湾岸自動車道
 No.20-2 日進JCT→名古屋瀬戸道路
 No.23 小牧JCT→中央自動車道

 ほかの路線との接続は、当初計画にないものについては、いずれも東名高速本
線の交通を分散する効果を見越したと考えられる。名古屋圏における豊田JCT
での伊勢湾岸自動車道、東海環状自動車道との接続は絶大な効果を発揮し、かつ
て渋滞が日常化していた豊田ICと名古屋ICの間の流れはスムースになった。
ほかの接続については施工中の箇所はあるが、現時点(2009年11月)では
未開通である。

 東京ICの次のジャンクションは300キロ以上走行した豊田JCTというこ
とになる。高速ネットワークが国内を網羅した現在、隣接するジャンクションま
での距離がこれほど離れている路線は見あたらない。東名高速道路は孤立した路
線なのかもしれない。

 さて、ほかの路線との接続一覧を見ると、新東名高速道路と直接接続する伊勢
原JCTと御殿場JCT以外は、未開通箇所も想定できるナンバリングを記し
た。先述のように、中央自動車道と接続する小牧JCTはNo.23と補助番号
が付されていない。小牧JCT付近の東名高速道路が開通当初から、No.22
春日井ICの次は、No.24小牧ICと、将来追加される小牧JCTのために
No.23を空けていたのだ。ちなみに、小牧JCTが開通したのは1972年
10月5日である。4年半ほど、No.23は欠番だったことになる。

 小牧JCT以外は、新東名関連か、補助番号付の当初想定していなかったもの
ばかりかと思いきや、そうではないようだ。

◆写真S3
No.23 小牧JCT
東名高速道路上り線から、中央自動車道上り線へのアプローチランプ。
(2006年2月11日、著者撮影。)
 世田谷JCTが、補助番号のない堂々たる番号で存在感を見せつけている。し
かも、2番という若い番号である。開通当初からNo.1東京ICの次は、
No.3東名川崎ICで、No.2は欠番になっている。

 当初は、世田谷区砧という当時の字名から「砧JCT」と呼ばれていた。現在
は、接続する東京外環自動車道の事務局では「東名JCT」と称しているよう
だ。このレポートでは「世田谷JCT」とする。いずれにしても仮称なので、位
置と接続路線のイメージが湧けばそれでよい。

 世田谷JCTは、東名高速道路と東京外環自動車道との接続ジャンクションで
ある。当初計画では、東京外環自動車道は、首都高速湾岸線の大井ふ頭あたりか
ら大田区蒲田を経て多摩川沿いに北上して、世田谷区野毛で第三京浜と接続し、
世田谷区大蔵、喜多見(世田谷JCT)で東名高速と接続し、さらに北上して三
鷹市で中央自動車道と接続し、練馬区大泉で関越自動車道と接続する。その先は
既に開通している区間である。

 この計画のうち、大井ふ頭から世田谷JCTまでの区間が当面施工しない区間
になった。つまり、当初計画では、世田谷JCTは4方向直結のフルジャンク
ションになる予定だったが、当面は北に延びる路線と接続する3方向直結になる。

 線形は典型的なタービン型で、国内では、大阪府豊中市の大阪中央環状線(大
阪府道2号)と新御堂筋(国道423号)が接続する千里IC、および常磐自動
車道、首都高速6号三郷線、東京外環自動車道が接続する三郷JCTに適用され
ている。立体交差が少なく、分岐合流の織り込み区間が発生しない合理的な構造
である。当面は3方向直結なのでタービン型にする必要はないが、見込みはない
かもしれないが湾岸方向への接続を意識しているようで、タービン型の線形のま
ま施工されそうだ。

◆写真S4(航空写真)
千里IC
東西は大阪府道2号大阪中央環状線、南北は国道423号新御堂筋である。
東西は、中国自動車道を中央環状線が挟むかたちになっているが、中国自動車道
は千里ICでは接続していない。
(Google Earth WEBサイトから引用。)
 あくまでも当方の私見だが、湾岸方向への路線は多摩川沿線の景観を保持でき
ないというノスタルジックな感覚を排除したとしても、大田区内のルート設定に
は無理がある。既存の市街地を大規模な区画整理で、道路用地を確保していくこ
とになる。現実的とは思えない。それに、当時は湾岸では大井ふ頭くらいしか接
続適所は見あたらないが、その後40年以上を経て羽田沖合展開により、接続適
所は多摩川河口部に移動している。川崎浮島JCTである。ここにはアクアライ
ンに直結する首都高速川崎線が接続している。

 第一京浜(川崎区富士見)までしか施工していないが、将来は川崎市を縦貫し
て多摩区宿河原で東名高速道路に接続する予定である。既存市街地をトンネルで
抜ける構造になり、容易に開通するとは思えないが、少なくとも当初の東京外環
自動車道の大田区横断ルートよりは見込みがある。東名高速道路の世田谷JCT
と宿河原JCTの間は多摩川を渡るだけの2キロ程度なので、首都高速川崎線を
東京外環自動車道と連続する東京環状として無理なく適用することができると考
える。

続く