ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

枝線が本線であるかのような構造(東北)7




◆図J6
河辺JCTの線形、添付写真撮影位置、方向別交通量。

◆写真13
河辺JCT(秋田県秋田市)
日本海東北道北行き(岩城方向)から秋田道分岐部をのぞむ。
(2005年7月20日、著者撮影。)

◆写真14
河辺JCT(秋田県秋田市)
秋田道東行き(秋田方向)から日本海東北道分岐部をのぞむ。
(2005年7月20日、著者撮影。)
 北東北圏の高速道路は東北道を主軸とした1本の幹からたくさんの枝が広がる
かた ちで整備されている。さて、もう1本、幹になりうる高速道路が、日本海
側で断続的 に整備されている。この日本海東北道が全通すれば(範囲が広いの
で迂回距離はとて も長いが)北東北圏における多くのリンクで、複数のルート
を選択できるようにな る。ラダーネットが構築されるのだ。

 しかし、日本海東北道は東北道とは異なり大きな交通需要のある仙台、東京と
直結 するのではない。需要ではなく単に交通ルートの空白地帯を接続するかた
ちで新潟ま で到達して北陸道に接続する。道路名称は連続していても、全区間
を通して利用する リンクは極めて少ない。

 高速道路の整備においても、需要に応じた整備を進めている。秋田から能代ま
で は、東北道の枝線である秋田道の延伸線として整備されている。構造も日本
海縦貫を 意識したかたちにはなっていない。秋田道として直通できるように
なっている。(◆ 図J6を参照。)

 河辺JCTに日本海東北道が接続したのは2001年7月7日である。このと
きは 秋田空港ICまでで、2002年10月26日に岩城ICまで延伸され
た。半端な部 分開通なので、交通量は極めて少ない。秋田道からの日本海東北
道への分岐は横手方 向が約5%、秋田方向が約11%である。ほとんどが秋田
空港アクセスと考えられ る。岩城ICまでは、秋田市内からは国道7号を南下
しても案外早い。

 たとえば、秋 田県庁から岩城までは、国道経由ならば高規格の秋田南BPを
経て短時間に市街を抜 ける。ここから約10キロ、海岸沿いの信号の少ない国
道を進めば良い。30分はか からないだろう。高速経由ならば、県庁から最寄
りの秋田中央ICまでが大変であ る。市街地を抜けて8キロほど東に行かなけ
ればならない。岩城は県庁のやや西の1 5キロほど南に位置している。東に8
キロも進むのは精神的にも負担が大きい。秋田 中央ICから岩城ICまでは
26.6キロである。高速走行できるので時間のロスは 少ないが、いかにも遠
回りである。

 言いたいことは、岩城ICまでの開通では、交通量の増加はとてものぞめない
とい うことである。延伸すればある程度は増えると思うが、投資に見合う需要
(効果)は 果たしてあるのだろうか。酒田につながるまでは無料開放で様子を
見る方が良いだろう。

続く