【あとがき】
今回、フランス語の地名、路線名の表記をどのようにするのか迷った。英語の
場合 は何とか発音に近いカタカナでの表記をすることができるが、フランス語
は無声音が 多く発音が難しい。最初は、そのままフランス語の綴りで記してし
まおうと考えた。 しかし、これでは読みにくい。手元の資料は地図がフランス
語、ミシュランのガイド ブックは英語である。
思い切って、仏和辞典を調べて当方が理解した発音をカタカナで記してみた。
本当 の発音や、市販の国産のガイドブックに記された地名とは異なる表記があ
るかもしれ ないがご容赦願いたい。また、日本語で通っている名称(凱旋門:
プラス・シャル ル、コンコルド広場:オベリスク・コンコルド ほか)は日本
語で表記した。「通 り」はアベニュー、ブルバールといくつかの区分がある
が、これらを忠実に記すと 「ド」「ラ」「デ」も正確に表記しなければ違和感
がある。
そのため「通り」と表記 した。(グランダルメ通り:アベニュー・ド・ラ・
グランダルメ、シャンゼリゼ通り :アベニュー・デ・シャンゼリゼ、ラミラー
ル・ブリュイクス通り:ブルバール・ ド・ラミラール・ブリュイクス ほか)
もう一つ気になったことがある。フランスの地理について、一般的にはどのく
らい 理解されているのだろうかという点である。歴史や鉄道に関わる地名なら
ばある程度 メジャーだが、道路に関わる地名は国内でも結構マイナーである。
関東の人には、鶴 ヶ島、久喜、大栄と、圏央道と放射高速道路との結節点を記
しても理解してもらえる が、福重、野芥、野多目は理解できるだろうか。
福岡外環状(福岡高速5号)の経過 点である。パリの放射高速道路の向かう
主な地名は、コンピエーニュ(A1)、シャ トーチェリー(A4)、フォンテ
ンブロー(A6)、オルレアン(A10)、ベルネ (A13)である。これら
は、鶴ヶ島、久喜、大栄のような存在である。しかも、当 方が辞書を見て理解
した発音のカタカナ表記である。さらに遠いメジャーな地名を記 した方が親切
である。新潟、仙台、潮来である。すると、先述の地名は、アントワー プ
(A1)、ストラスブール(A4)、マルセイユ(A6)、ボルドー
(A10)、 ルーアン(A13)になる。A10から分岐するA11のルマン
を記しても親切である。
しかし、パリのミクロな道路の説明に、このような遠方の地名を記すのは違和
感が ある。北九州高速5号線の説明で、東京、鹿児島、釜山というような地名
が登場すれ ばまともな報告とは思わないだろう。本報告は観光ガイドではない
ので、雰囲気だけ を察していただくという意味で、マイナーな地名をそのまま
表記することにした。
こ のあたりもご容赦願いたい。機会があれば、パリ市全域やフランス全土の
高速道路に ついて巨視的に説明したいと思う。でも、これは観光地図そのもの
になってしまう。 道路に拘泥する無粋な当方の出番ではないかもしれない。実
は、当方が読めない外国 語の資料を無理に読んでいるのは、残念ながら満足さ
せてくれる国産の資料がないか らである。情報が古いものや、調査が甘いもの
が多い。クレームをつけることができ る人が少ないせいだろう。困ったものだ。
最後に、◆模式図2にフランスの高速道路網を添付する。主にパリから放射状
に伸 びる路線である。路線番号はヨーロッパ共通の番号である。フランスの路
線番号は、 パリ市付近では次の路線番号が一致する。A1とE15および
E19、A4とE5 0、A6とE15、A10とE5、A11とE50、
A13とE5である。
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