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現在、日本橋川を含む空間の環境を元に戻すべく、その対策案を一般公募して い る。具体的には首都高速環状線の神田橋と江戸橋の区間の既存構造物の撤去 である。 当方は、日本橋の景観は首都高速が覆い被さる現状の方が東京らしく て好きなのだ が、この考えはあまり一般的ではないらしい。高架構造物を撤去 して地下にもぐらせ る案がある。 しかし、この区間には地下鉄や共同溝など多数の地下構造物が輻輳して い る。これらの下にトンネルを掘れば、トンネルに至るまでのアプローチ(斜路) が 長すぎて容易には適用できない。ほかに、高架道路を日本橋川沿岸の高層ビ ル群の中 に含ませる案もある。建物に道路を含ませるケースは国内には短区間 のものしかない が、外国にはボストンのコープレイプレイスにおけるI90の ような例がある。I9 0は高架構造ではないが、道路用地を建物で覆うという 構造は同じである。どのみち 大規模な区画整理が必要なプロジェクトになる。 これらの案は、いずれも首都高速の機能を果たすために案出されたものであ る。当 方は全く異なる考えである。神田橋JCTと江戸橋JCTの間だけでな く、さらに汐 留Rまでの区間も撤去するのだ。首都高速で都心を通過できない 構造にするのであ る。首都高速は元々都市内の内々交通をさばくために計画さ れた連続立体交差であ る。ところが、区間延長が伸びて、都心と郊外の間の内 外交通だけでなく、郊外同士 の間の外々交通が多くを占めるようになった。 首都高速は渋滞して当然の欠陥構造と 断言する評論家が多いが、本来の目的 とは異なる利用により破綻しているのだ。この 機会に本来の機能に戻してあげ れば良いと思う。環状線の北東区間を撤去して、都心 環状線を経由する通過交 通を遮断する。ただし、この大英断が実行できるのは、中央 環状線と晴海線が 全通することが前提である。中央環状線の全通により外々交通の3 0%程度は シフトすると予測されているが、環状線の切断により100%になる。内 外交 通は、残った放射区間を利用するので問題はない。 内々交通は東京の東西方向で の通過ができなくなるが、晴海線で西部と東南 部は連絡できる。また西部と東北部は 中央環状線を利用する。1号上野線が本 木まで延伸して中央環状線に接続していれ ば、このルートでも十分である。中 央環状線内の区間は無料にするか、乗り継ぎでき る料金設定にすれば、神田橋 と箱崎の間は一般道路を利用すればよい。空の見える日 本橋川沿いのルートな らば、場合によってはセーヌ川右岸道路のようなスルー構造も 設置できるかも しれない。 当方は上記の無謀な案を東京都に応募するつもりはないが、今後どのような案 が提 出され、採用されるのだろうか。とても気になる。数十年スパンの長いプ ロジェクト になると思うが、その経緯について注視したいと思う。 |
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