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【国内の結節点】 高速道路の結節点(ジャンクション)は、複雑な線形により交通流を制御して い る。路面を利用する側から見てもダイナミックな多重構造の立体交差はラン ドマーク になるはずである。ところで、高速道路の路面はすでに一般道路とは 異なる層に位置 している。高架1層目の路面から見て2層目が見えれば、地平 から見れば3層構造と いうことになる。 都市間高速道路においては郊外の広大な道路用地に構造物を展開することがで きる ので、多層構造でもある程度圧迫感を軽減できる。すべての右折方向のラ ンプが螺旋 になっているクローバー型では立体交差は1箇所のみなので、広さ しか印象に残らな い。この形式は交通量の少ない地点には問題ないが、国内で は該当箇所が見つからな いため採用されている箇所はない。かつて、九州自動 車道、長崎自動車道、大分自動 車道が接続する鳥栖ジャンクションで採用され ていたが、交通量の増加により直結ラ ンプ(サガンクロス)が架設されて3層 構造になった。海外にもこのような線形変更 例は多い。※ ※海外のジャンクションの線形変更例 2002.8.31 内陸交通拠点のアトランタ都市計画4 ところで、ジャンクション構造の複雑さにおいて都市高速道路は、道路そのも のだ けでなく都市景観を変える強いインパクトがある。道路区分として都市高 速道路に限 定せずに都市部における高規格道路の結節点の立体交差と言い換え た方がより正確だ が、本報告では特にこだわる意味はないので単に都市部の ジャンクションと表記する。 ジャンクションは3方向から集まる交通流を制御する3枝と、4方向の4枝で は複 雑さが全く異なる。全方向に連絡するフルジャンクションの場合、3枝は 本線同士の 交差がなく、4本のランプで構成されている。そのうち2本が本線 と交差する。立体 交差は2箇所で、いずれも2層である。ただし本線と交差す る2本のランプ同士も交 差する。 螺旋を組み込まなければ最大で3層構造になる。4枝は本線同士の交差に加 えて、8本のランプで構成されている。そのうち4本が2つの本線と交差する。 本線 同士が交差しているので、ランプは3層目になる。しかも、本線と交差す る4本のラ ンプは2本ずつの組でそれぞれが交差する。どちらかの組は4層目 の空間を通過しな ければならない。 これらを一般道路のある地平から見れば1層分追加することになるので、3枝 で4 層、4枝で5層になる。これは螺旋を採用しないケースであり、郊外なら ば螺旋によ り層を少なくすることはできる。都市間高速道路のインターチェン ジで多く採用され ているトランペット型は、直結ならば3層になるはずだが、 螺旋の採用により2層で おさめている。 都市部のジャンクションでは、道路用地の確保において制限されるので、広大 な用 地を確保することは難しい。つまり、容易に螺旋で層を少なくすることは できない。 ところが多層構造も容易に採用することはできない。建設費が高騰 することも大きな 理由だが、やはり都市景観に及ぼす影響が大きい。道路は一 般的には地平そのもの で、市街化された沿道から見れば低い位置にある。 1層の高架道路だけでも沿道市街 への圧迫感は大きいのに、ジャンクション で3層になれば本来なら空まで続く空間を 生み出す道路が建築物になってしま う。道路そのものが高度に市街化されて、このエ リアは空間に全く余裕のない 密集地になるのだ。そのため、少しでも層を少なくする ために本線を2層にし てジャンクションのすべてのランプも2層にするかたちが多く 採用されてい る。3枝に集まる道路をすべて本線ではなくランプというかたちにすれ ば6本 のランプが集まることになる。そのうち2本が層を移ることによりフルジャン クションとして制御することができる。 |
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