◆画像11
土岐市泉町久尻
中央自動車道 土岐JCT
手前の構造物が中央自動車道小牧方面への合流ランプで、奥の坂路(土工部)が小牧
方面からの分流ランプである。これらのランプに挟まれた位置に中央自動車道本線が
ある。なお、ここにはかつては中央自動車道オーバークロスする地先道路の橋がかか
っていたが、現在通行止めにして撤去作業中である。この橋の通行帯クリアランスに
画像に写っているランプが被るのせいである。なお、新たなオーバークロス橋はラン
プのクリアランスに被らないさらに高い位置に架けられているが、現在はその先の丘
陵部が土岐JCT工事現場なので、関係者専用に制限されている。
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◆画像12
土岐市泉町久尻
東海環状自動車道
国道19号神明峠から多治見方向、東海環状自動車道本線(正面のオーバークロス
橋)をのぞむ。
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多治見市と土岐市の間では、国道19号は土岐川の南側の河岸段丘の最頂部の神明
峠を越える。国道19号の交通量はかなり多い。そのため4車線の高規格構造になっ
ている。この峠越区間は立体交差の高規格構造で交通容量が大きいが、前後の多治見
市街、土岐市街は4車線のままだが交差点が平面交差であるため慢性的に渋滞が発生
している。春日井市からの中津川市までは主要交差点が立体化された高規格一般国道
として整備されるべきである。
ほとんどの区間が供用済か工事中になっているが、多
治見市街と土岐市街については特にバイパスの計画がない。並行する中央自動車道
は、稀にこの区間で交通集中起因の渋滞が発生している。交通容量と需要がきわどい
バランスで保たれている。今のうちに少なくとも多治見バイパスを検討しておくべき
ではないだろうか。
東海環状自動車道は、神明峠の尾根を通過する国道19号と直交するかたちでオー
バークロスする。東海環状自動車道本線の標高がかなり高いことがわかる。(◆画像
12)
普通に考えれば、国道19号との交点にインターチェンジを設置するような気がす
る。しかし、この地点にはインターチェンジは設置されない。◆画像12のさらに下
の方(南の方)に土岐南ICが設置される。東海環状自動車道との交点の左側で、国
道19号をアンダークロスする道路の計画線が見える。この計画線を約2キロ進んだ
ところで土岐南ICに接続する。
ここには、「土岐プラズマ・リサーチパーク」とい
うハイテク施設が建設される。この施設を含む新規開発エリア(28ヘクタール)へ
の企業誘致のために東海環状自動車道が利用されるのである。なお、国道19号神明
峠から土岐南ICまでの道路は「ハイテクロード南北線」と呼ばれている。幅員27
メートルの高規格道路である。この道路はリサーチパーク利用車だけでなく、多治見
市、土岐市の市街地から国道19号を経て東海環状自動車道へのアクセスにも利用さ
れる。国道19号神明峠における立体交差はこれらの工事が展開される前に完成して
いたので、当時は立体交差の意味がわかりにくかった。
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土岐JCT完成モンタージュ
正面を水平方向に伸びるのが東海環状自動車道本線で、右下から左上のトンネルにか
けては中央自動車道本線である。
(国土交通省中部地方整備局発行「未知普請」(2002年12月)から引用。)
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最後に、土岐JCTの全貌を俯瞰できる完成モンタージュを載せる。本報告に載せ
た画像のうち、◆画像10、12以外は、すべてこのモンタージュに含まれる。モン
タージュからは高さ方向が実感しにくいので、各画像で補間してほしい。
土岐JCTでは気になる施設が計画されている。料金所である。高速自動車国道と
一体化して利用を促進させるためには連続性は重要である。この連続性は、一旦停車
せずに連続走行できるという意味と、料金の精算においても連続利用と見なすという
ことである。高速自動車国道の通行料金は、基本料金と距離に比例した利用料金を加
算している。また、距離は長距離逓減制が採用されている。なるべく長い距離を連続
走行した方が料金は安くなるのである。東海環状自動車道は、先述のように高速自動
車国道ではないので、連続性が維持できなくても仕方がない。それでも運用での工夫
次第で何とかなるはずである。
開通当初は、本州四国連絡橋は前後の高速自動車国道と連続して通行する場合で
も、出入口で2回停車させて料金精算していたが、現在は1回である。また、伊勢湾
岸自動車道の途中にある名港トリトン区間や、首都圏中央連絡自動車道、それに第二
京阪自動車道、京滋BPなど多数の区間で、ノンストップで連続利用できるようにな
っている。
是非、東海環状自動車道も連続走行できるような仕組みで運用していただきたい。
土岐JCTの料金所施設はあくまでも管理用で、利用者はスルーさせてほしい。運用
による障害で、利用車が増えなければ、画期的なルートで建設される環状道路が無駄
になってしまう。東海地区の高速道路の全体計画は東京、大阪など、ほかのどの都市
圏よりも優れているはずである。効果を発揮させてほしい。
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