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【各ルートの比較(東海北陸道全通後)】 東海地方から見て東北地方は東北方向に位置する。したがって、この方向に向かう 場合は東か北の方向へ進むのが効率が良い。東名高速道路で東京に向かうと一見東に 向かうように見えるが、かなり南に向かって進むことになる。東海道筋は高速道路だ けでなく新幹線などの鉄道も輻輳するメインルートなのであまり違和感がないが、か なりの大回りが強いられているのは確かである。先述のように中央自動車道から長野 自動車道、上信越自動車道を経由する長野ルートが最短ルートである。このルートは 東北方向に着実に進む。 しかし、信州中野ICから信濃町ICにかけて大きく西に戻るルートをたどる。長 野市から上越市方向に直線ルートを設定することも不可能ではなかったが、長野県北 の飯山市など千曲川に沿った市街地への利便性を考えれば妥当なルート設定だろう。 ところで、東海北陸自動車道が全通すると東海地方から一直線に富山県の北陸自動 車道に到達することができる。このルートはほぼ真北に向かうので、東北地方への短 絡ルートになるかもしれない。 近畿地方からの短絡ルートは米原JCTで北陸自動車道をひた走る北陸ルートが短 絡であることはゆるぎないが、東海地方からは東京ルート、長野ルート、それに東海 北陸自動車道を全通する飛騨ルートで微妙な差異があった。(◆表2) |
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走行時間、走行距離、所要時間のそれぞれで微妙に有利なルートが異なる。◆表2 は、東海地方の代表インターチェンジとして一宮ICを基準にして仙台宮城ICまで の各ルートを比較している。各ルートの差異が微妙なので、逆に仙台宮城ICから見 て、東海地方のどのエリアがどの要因で有利なのかまとめてみた。 1)走行時間 東海地方のほとんどのエリアにおいて長野ルートが有利だが、ほかのルートが有利 なエリアもある。インターチェンジで表記する。(◆地図5) 東京ルートが有利なのは、東名高速道路の東名三好IC以東である。 飛騨ルートが有利なのは、東海北陸自動車道の岐阜各務原IC以北である。 北陸ルートが有利なのは、名神高速道路の関ヶ原IC以西である。 そのほかのエリアは長野ルートが有利である。 なお、東京ルートの東京通過時間は、先述のように10月平日午前10時の平均値 72分としている。この値の信頼度は低いので、東京ルートの有利なインターチェン ジは豊田IC以東と考えておいた方が安全かもしれない。さすがに岡崎IC以東から 長野ルートをたどるのは大回り感があるだろう。それでも、ピーク時には早いと思わ れる。ただし、東京通過のピーク時には東名高速道路の岡崎ICと名古屋ICの間も 渋滞している可能性が高いので、どちらが良いとも言えない。このような特異な時期 には、通行料金が安いルートをたどるのが気が楽である。 |
◆地図5 仙台宮城ICから走行時間が最短になる東海地区の路線位置図。 |
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