ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

東海北陸道の全通効果(広域編)2



 近畿地方(米原JCT以西)と東北地方(郡山JCT以北)の高速ルートについて 
は、北陸自動車道ルートが有利であることは間違いない。冬季の通行障害が発生する 
期間を除けば、ルート選択で迷うことはない。距離、時間、料金いずれも格差が大き 
いので、米原JCT以東、および郡山JCT以南でも北陸自動車道ルートの方が有利 
になる区間がある。
 この高速ルートについては、差異がとてもわかりやすい。

 ところで、1999年10月30日に上信越自動車道が全通した。これによりもう 
1つルートの選択肢が増えた。米原JCTからそのまま名神高速道路、東名高速道路 
を経て、中央自動車道から長野自動車道、上信越自動車道で上越JCTに至り、ここ 
から北陸自動車道に渡るルートである。

 ◆地図1を見ると、このルートの方がより直線ルートに近接しているように見える。
しかし、◆表1を見ると、上信越自動車道経由の方が、距離は37.7キロ、時間は
28分多くかかることがわかる。上信越自動車道は、長野市の北部で志賀高原方面へ
湾曲する線形をとっているため距離が多くなっている。時間の格差はおおむね距離の
格差に比例しているが、若干走行速度が低いのは、2車線の対面通行区間が存在する
ためである。なお、料金はいずれのルートも同額である。あまり知られていないが、
高速自動車国道は入口と出口で料金が決まる。その間はどのルートをたどっても良い。
 近畿地方と東北地方の短絡ルートには上信越自動車道の開通は影響しない。

◆地図2
一宮ICと仙台宮城ICの直線ルートと各ルートの配置図。
 しかし、このルートの開通は東海地方と東北地方の短絡ルートには影響しそうだ。 
東海地方は米原JCT以東にエリアで、東北地方への短絡ルートには、北陸自動車道 
ルートは無縁だった。先述のように、米原JCTと郡山JCTの間で、北陸自動車道 
ルートは東京経由よりも56.5キロ、1時間18分が短いので、その半分の23. 
3キロ、39分だけ米原JCT以東に進んでも有利ということになる。東海地方の西 
端、岐阜県西濃地方には有利になるが、東海地方の大半には影響しない。しかし、上 
信越自動車道ルートは大半の東海地方には有利である。
 また、東海北陸自動車道の全通により、さらに短絡ルートが発生しそうだ。本報告 
では、これらについて比較する。


【各ルートの概要】
 まず、東海地方と東北地方を結ぶ各ルートについて下記のように規定する。
(◆地 
図3)
(1)  東京ルート
 東名高速道路、首都高速(東京)、東北自動車道を経るルート。
 中央自動車道から首都高速に至るルートもこのルートに含む。
(2)  長野ルート
 中央自動車道、長野自動車道、上信越自動車道、北陸自動車道、磐越自動車道、東 
北自動車道を経るルート。
(3)  飛騨ルート
 東海北陸自動車道、北陸自動車道、磐越自動車道、東北自動車道を経るルート。
(4)  北陸ルート
 名神高速道路、北陸自動車道、東北自動車道を経るルート。

続く