ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

東海北陸道の全通効果2



 なぜ、東海北陸自動車道の建設を遅延させて、ほかの路線の建設が優先されたのだ 
ろうか。
東海北陸自動車道の路線紹介、北陸自動車道との効果比較について順次記す。
【路線紹介】
 東海北陸自動車道の太平洋側の接続点は、名神高速道路の一宮JCTである。一宮 
JCTは一宮IC(インターチェンジ)の西4.4キロに位置している。当初の計画 
では、一宮ICの東、現在の上り線の尾張一宮PA(パーキングエリア)付近に接続 
する予定だったが、紆余曲折を経て現在の位置に決定した。

◆航空図1
一宮JCT付近
縦方向のラインが東海北陸自動車道、横方向が名神高速道路で、交差箇所が一宮JC 
Tである。東海北陸自動車道は、一宮JCTからさらに南へ伊勢湾岸自動車道方面に 
接続させる計画がある。この計画線(一宮西港道路)は、既存の一般道路(西尾張中 
央道)の上を高架で進行する。西尾張中央道は4車線で、高速道路を付加させる余地 
がないので、ほぼ2倍に拡幅される。この拡幅は、一宮JCT以北の区間(東海北陸 
自動車道が上に付加された)と同様の構造である。
(国土地理院のWEBサイトから引用。)
 一宮JCT付近は田園地帯で、ダイナミックな線形でジャンクションが建設され 
た。どの方向も直結型で、ゆるいカーブになっているため高速走行が可能である。車 
線数は交通需要により、一宮IC(名古屋)方面が2車線で、岐阜羽島IC(京都) 
方面が1車線になっている。東海北陸自動車道上り線から一宮JCTに進入する場合 
は、道なり(本線)が名古屋方面で、右分岐が京都方面である。

◆地図1
一宮JCT撮影位置図

◆画像1
一宮市萩原町林野
名神高速道路、東海北陸自動車道 一宮JCT
高架2層目は、名神高速道路下り線名古屋方面から東海北陸自動車道下り線富山方面 
への亘り線。
高架3層目は、東海北陸自動車道上り線富山方面から名神高速道路下り線京都方面へ 
の亘り線。
(2003年7月26日、著者撮影。(◆画像1から◆画像5まで。))
 一宮JCT付近の地形は平坦で、ジャンクション構造物はすべて高架橋になってい 
る。ただし、名神高速道路が盛り土構造なので接続部だけは盛り土を拡幅している。 
なお、名神高速道路の加減速レーン長は一般的なジャンクションよりもかなり長い。 
名神高速道路の交通量がすでに設計交通量を上回っているので、ジャンクション接続 
に起因する本線への負担をなるべく少なくさせるようにしている。

 それでも名神高速道路の名古屋方面では東海北陸自動車道上り線合流に起因する交
通渋滞は発生している。一宮ICの名古屋高速道路接続に伴う大規模な規制にも起因
しているが、一宮JCTの接続後、名神高速道路の一宮ICと岐阜羽島ICの間が渋
滞多発区間になったのは事実である。わずかな距離なので、一宮ICと一宮JCTの
間だけでもで6車線以上に拡幅すべきだったような気がする。

◆画像2
名神高速道路下り線側道から一宮JCT亘り線をのぞむ。

◆画像3
名神高速道路上り線京都方面から東海北陸自動車道下り線富山方面への亘り線をのぞむ。
正面の分岐予定箇所は、伊勢湾岸自動車道方面への亘り線が接続される

◆画像4
一宮市大和町苅安賀
東海北陸自動車道 一宮JCT
西尾張中央道(愛知県道14号岐阜稲沢線)苅安賀南交差点から、東海北陸自動車道 
岐阜方面をのぞむ。
高架上において、左へ名神高速道路各方面からの亘り線が合流し、右から名神高速道 
路各方面へ亘り線が分流する。中央は、伊勢湾岸自動車道方面への延長予定箇所である

続く