ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

名古屋瀬戸道路工事進捗報告5-6




◆画像19
西春日井郡西春町中之郷
名古屋高速(16)一宮線、名岐BP(R22)
名岐BP南行き車線から名古屋市街方向をのぞむ。
(◆画像19から◆画像20までは2003年7月26日、著者撮影。)

◆画像20
西春日井郡春日町下之郷
清洲JCT
名岐BP南行き車線から清洲JCT工事現場をのぞむ。
正面を横に通過するのは東名阪自動車道で、名古屋高速はこの上をオーバークロスす 
る。なお、名岐BPは、東名阪自動車道の下の名古屋環状2号(R302)との交差 
部では本線のアンダーパス(朝日UP)が設置されている。清洲JCT完工時には4 
重立体になる。
 ほかに問い合わせのあった名古屋高速(16)一宮線については、万博開催には間 
に合うと考えられる。(◆画像19から画像20まで)
 名岐BP(R22)という1日あたり10万台を越える超重交通国道上に建設され 
る難工事だったが、順調に進行している。国道も全区間で6車線を確保している。

 ただし、清洲JCT以南の名古屋高速(6)清洲線については全通するのは無理と 
考えられる。多くの区間で着工していることを確認できたが、肝心な名古屋市道江川 
線と並行する区間の進捗が遅い。一宮線の開通だけでもかなり効果があると考えられ 
るが、やはり名古屋市内に到達していなければ完璧とは言えない。すでに名古屋高速 
(1)楠線から続いて(11)小牧線が開通しているが、小牧線の交通量は楠線とは 
比較にならない。名古屋市中心部から名神高速道路の関西方面への連絡には一宮IC 
を利用することが多い。この区間を直結する清洲線、一宮線の開通効果は絶大であ 
る。早期の開通を望む。

 名古屋市中心部から関西方面への連絡は、第二名神高速道路が開通すると一宮IC 
よりも東名阪自動車道や伊勢湾岸自動車道経由の方が便利になる。既存の名古屋高速 
(5)万場線などで三重県方面へ向かうのである。第二名神高速道路が草津JCTま 
での部分開通だとしても、名神高速道路経由よりも距離も時間も早い。そのなると一 
宮ICの利用は岐阜方面(北陸方面)だけになってしまう。

 現在の工事進捗状況を見ると、第二名神の部分開通と名古屋高速の一宮到達時期は 
近いような気がする。やや前者が早いような気がするが、多少ずれても一宮ICの交 
通量が将来少なくなることは間違いない。それでも、名岐間の交通量は極めて多いの 
で、決して無駄になるというわけではないが、小牧線よりも一宮線の開通を先行させ 
た方が良かったのではないかという気がする。

 有力政治家のいない東海地区には道路建設予算が十分に配分されない。道路の全体 
計画は他都市に比べて合理的だが、インフラ整備が予定通りに進まないのであちこち 
で無意味な閉塞(渋滞)が発生している。首都圏や関西圏のように閉塞してから対策 
を考えることは少ない。すでに計画済で区画整理の機会を見て道路用地も確保してい 
る。それでも建設予算が配分されないため空き地のままである。予算が配分されない 
ことについては仕方のないことと受け止めて、開通順により各時期での交通流動をシ 
ミュレーションして、最も効率的な建設順位を求めるべきである。

 なお、名古屋高速(11)小牧線については、出入口の配置が良くないので利用し 
にくいという意見も頂戴している。当方もその通りだと思う。楠線や小牧以北の区間 
と一体になって初めて合理的な配置なので、現状では短い有料区間になり敬遠される 
区間がある。(特定料金区間として安価になったが、それでも高い。しかも片方向だ 
けの割引では不十分である。)

 また、名古屋空港を意識した出入口の配置にも問題が 
ある。工事中に中部国際空港の開港時には名古屋(小牧)空港から旅客線が撤退する 
ことが確定した。2005年2月以降には、空港利用車は小牧線からはいなくなって 
しまう。空港ターミナルへの直結出口の建設を保留にしたが、構造物には予定箇所が 
残っている。この構造物は永遠に封鎖されることになる。

 名古屋空港という重要な施設があるため小牧線を優先したが、小牧線の実際の着工 
時には中部国際空港の位置はほぼ決定していた。中部国際空港が開港しても運用とし 
ては名古屋空港に国内線を残す可能性はあっただろう。それでも、莫大な建設費用を 
投じるプロジェクトなので、将来感心されるくらいの英断を期待したかった