ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

東名高速VS中央高速 3



 足柄SA(サービスエリア)付近は東名高速道路の最高地点だが、標高500メー 
トル足らずである。東名ルートで唯一の山岳区間にあたり、難工事が強いられた。そ 
のため工期は遅延し、大井松田ICと御殿場ICの間は、東名高速道路の最後の開通 
区間になった。

 開通後しばらくして、交通量は設計交通量をやや上回る程度だったが、きびしい縦 
断曲線に起因する交通渋滞が慢性化した。また、閑散時間帯でも横断曲線のきつさも 
相乗して事故が多発した。特に上り線がひどい。足柄SAから大井松田ICまで長い 
下り坂が連続し、これが事故を誘発する危険区間と分析された。その対策として、上 
り線の線形を緩やかにすべく別ルートが新設された。この区間は上り線3車線、下り 
線4車線に拡幅されたが、本来の目的は上り線の作り直しである。

東名高速道路下り線、足柄サービスエリア。
(2002年12月27日、著者撮影。)
■中央ルートの画像
 中央ルートの東京起点も東名ルートと同様、環八通りに接続している。本線は首都 
高速新宿線に直通していて、中央自動車道の高井戸IC(出口のみ)と首都高速の高 
井戸R(ランプ)と合わせてダイヤモンド型になっている。高井戸Rはセンターラン 
プ形式で、直下の一般道路(新甲州街道)のオーバーパスを挟み込むかたちに本線は 
分離している。

 高井戸IC付近は、東京IC付近よりもさらに住宅密集地で、道路施設は容易に建 
設できない。この区間の開通は遅延し、高井戸IC入口は頓挫している。また、新甲 
州街道も建設が進まないので、環八のオーバーパスも本来の機能を発揮していない。 
このあたりの経緯は長くなるので、別の機会があれば報告する。

◆航空図2
中央自動車道、高井戸IC付近。

◆画像5
杉並区高井戸西1
中央自動車道、高井戸IC(出口)

◆画像6
杉並区上高井戸2
中央自動車道、高井戸IC(入口)予定部。
本線高架には、高井戸ICが接続できるよう拡幅部が確保されている。
拡幅部は、烏山トンネル内まで続く。
画像の撮影時期は古いが、現在(2003年7月)も高井戸IC入口の接続の見込み 
はない。
(1987年11月29日、著者撮影。)

続く