ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

西瀬戸自動車道3



 因島大橋は吊橋で、車道はトラス構造の上部に設置されている。歩道はトラス下部 
に設置されている。歩道へのアプローチは向島側(北詰)、因島側(南詰)ともに九 
十九折の急な坂道になっている。
 車道は因島大橋のみ4車線のフル規格で供用されている。因島大橋南詰から生口橋 
までの因島区間は2車線の対面通行だが、4車線分の道路用地は確保済みである。低 
い丘陵の土工区間で容易に拡幅できる。

◆図4
生口橋
自動車通行用の4車線のうち、外側の各1車線ずつを歩道に流用している。したがっ 
て、自動車道は各1車線ずつの暫定2車線で供用している。自動車通行レーンをフル 
規格で運用するためには歩道用の施設を追加しなければならない。
(本州四国連絡橋公団WEBサイトから引用。)
 生口橋の車道は4車線のフル規格で完工しているが、中央寄り1車線ずつを車道、 
外側の1車線ずつを歩道として運用している。つまり、生口橋は歩道を含む構造には 
なっていない。1991年12月8日に開通しているので、少なくともこの時期まで 
は歩道の設置は考慮されていなかったことになる。ところで、因島大橋は1983年 
12月4日に開通しているが歩道が設置されている。8年前に歩道が設置された海峡 
横断区間が開通していたのに、どういうことなのだろうか。

 瀬戸内海横断自転車道(全長80.4km)の構想は1997年に着手したはずで 
ある。したがって、それ以前に開通している区間には歩道の設置が考慮されていなく 
ても仕方がない。1991年に開通した生口橋に歩道が考慮されていないのはそのた 
めである。しかし、因島大橋は1983年の開通時から歩道も供用している。因島大 
橋には歩道の需要があったのだろうか。何となくトラス構造でどのみち保守用の通路 
が設置されるので、これを歩道として開放しただけのような気がする。因島大橋の歩 
道の幅員は4メートルで、1997以降に開通した橋の歩道の幅員よりも狭い。
 いずれにしても生口橋の車道をフル規格で供用すると歩道が消滅するので、完成し 
ているとは言えない。

 生口橋南詰の生口橋北ICで車道は途切れる。生口島島内は、一般国道317号を 
通過して生口橋南ICで再度自動車道に入ることになる。
 西瀬戸自動車道の生口島島内区間は島南側の丘陵部を通過する計画である。生口島 
道路として1999年度から着工しており、2005年度に開通させる予定だが、現 
時点では既開通区間を規制するところまでは進捗していない。

◆図5
多々羅大橋
自動車通行用の4車線の外側にそれぞれ専用の歩道が設置されている。本線は全レー 
ンが開放されているので、完成していると言える。
(本州四国連絡橋公団WEBサイトから引用。)
 多々羅大橋は4車線のフル規格で供用しており、その外側には歩道が設置されてい 
る。多々羅大橋西詰からは2車線の対面通行になり、大三島、伯方島を経て大島まで 
2車線のまま続く。

◆図6
大三島橋
自動車通行用の4車線のうち、下り線の2車線を自動車用に対面通行、上り線の2車 
線を歩道に暫定運用している。自動車通行レーンをフル規格で運用するためには歩道 
用の施設を追加しなければならない。
(本州四国連絡橋公団WEBサイトから引用。)

◆図7
大島大橋
自動車通行用の4車線のうち、下り線の2車線を自動車用に対面通行、上り線の2車 
線を歩道に暫定運用している。(厳密には中央寄り1車線分のみ使用。)自動車通行 
レーンをフル規格で運用するためには歩道用の施設を追加しなければならない。
(本州四国連絡橋公団WEBサイトから引用。)
 大三島橋は、1979年5月13日に開通した。本四連絡橋初の開通区間である。 
この橋が開通したとき本四連絡橋が夢ではないと感じた。西瀬戸自動車道のすべての 
海峡部に架橋されたのは1999年11月5日なので、足かけ20年かかったことに 
なる。(着工からは24年かかったことになる。)
 大三島橋、伯方・大島大橋ともに車道は4車線のフル規格で完工しているが、下り 
線の2車線を対面通行で運用し、上り線を歩道で運用している。いずれも完成してい 
るとは言えない。
 大島大橋南詰の宮窪町(大島)からは、西瀬戸自動車道で最も長い宮窪トンネルを 
抜けて大島北ICに至る。ここで自動車道は途切れる。大島島内は一般国道317号 
を通過して、大島南ICで再度西瀬戸自動車道に入ることになる。

◆画像3
来島海峡大橋
画面左から来島海峡第三大橋、第二大橋、第一大橋で、手前は来島マリーナである。
(2003年4月28日著者撮影。)

◆画像4
西瀬戸自動車道(しまなみ海道)
来島海峡第三大橋から来島海峡SAまでの高架橋をのぞむ。
橋梁区間と高架区間がほぼ直角に接続している。このため吊橋のワイヤがアプローチ 
区間を支えないかたちになっている。都市の港湾部のように道路用地に制限のある 
ケース以外では珍しい。
(2003年4月28日著者撮影。)

続く