ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

亀山連結線 1



 亀山IC(インターチェンジ)は高速道路ネットワークの視点では三重県で最大級 
の交通要衝である。亀山IC、および隣接する関JCT(ジャンクション)で名古屋 
方面と連絡する東名阪自動車道、伊勢方面(将来は紀勢方面)と連絡する伊勢自動車 
道、奈良、大阪方面と連絡する一般国道の名阪国道(R25)、および東海道(R 
1)が接続している。名阪(名古屋と大阪)間は名神高速道路がメインルートだが、 
亀山IC経由の東名阪自動車道、名阪国道、西名阪自動車道のルートもサブルートと 
言うには大きすぎる交通量を引き受けている。名神高速道路ルートは名阪だけでなく 
東京方面、信州、北陸方面と関西を連絡する役割を果たしているが、名古屋と大阪と 
いう連絡では名神ルートと名阪ルートはほぼ互角に分散されている。ミクロな視点 
で、名古屋で名神と東名阪のいずれのインターチェンジが近いか、また、大阪で北部 
か南部のいずれが目的地かによってルート選定される。
 名阪ルートは亀山ICと天理ICの間が一般国道なので課金されない。したがって 
名神ルートよりも2000円ほど安い。ただし、制限速度が60キロに抑えられてい 
るのでやや時間がかかる。(実際には80キロ以上で流れているが、名神高速のよう 
に100キロまでには達していない。)新幹線で言えば、名神ルートがのぞみで、名 
阪ルートがひかりというところだ。決してこだまではないし、もちろん在来線ではない。

◆図1
亀山連結線付近広域高速道路網図。(2003年4月時点)
青色実線が高速道路で、おおむね時速80キロ以上で走行できる。(京奈和道は暫定 
2車線開通なので制限速度は抑えているが、便宜上フル規格として青実線で表記した。)
赤色実線は高規格幹線道路で、おおむね時速60キロ以上で走行できる。(名四国道 
(R23)、名岐BP(R22)なども該当するが、全区間で自動車専用道路として 
出入制限されている区間のみ記載している。)
 名神ルート、名阪ルートともに現時点(2003年)において計画交通量を大きく 
上回る交通量を担っている。名神ルートの交通集中起因の交通渋滞は一宮IC付近を 
アタマにした上下線、京都東IC付近をアタマにした上下線が慢性化している。かつ 
ては京都南ICと茨木ICの間(天王山トンネルをアタマ)が閉塞状態だったが、本 
線拡幅によりほぼ渋滞は解消している。今後は京滋BP(バイパス)から京都第二外 
環状を経て大山崎JCTまでの京都迂回ルートが開通すれば、京都東IC付近の渋滞 
も解消されると考えられる。
 名阪ルートは全通以来長い間交通渋滞は発生しにくかった※1。これは単純に交通 
量が少ないことによるもので、名古屋側の接続が名古屋高速万場線の直結や東名高速 
名古屋ICまでの延長により利便性が高まったため1980年代からはしばしば渋滞 
するようになった。この渋滞は本線料金所が起因するもので、下り線の鈴鹿本線料金 
所、上り線の名古屋西(七宝)本線料金所の渋滞が深刻である。また、伊勢自動車道 
上り線の関本線料金所、および東名阪自動車道上り線の鈴鹿本線料金所(チケット受 
け取りのみ)の渋滞もしばしば発生している。(◆図1を参照。)
 特に、東名阪自動車道下り線の鈴鹿本線料金所の渋滞列が長い。四日市IC付近ま 
でつながることもしばしばで、ピークには名古屋西までつながることがある。東名阪 
自動車道としては東名高速名古屋ICまでつながっているが、名古屋西から先は均一 
料金の都市高速規格の区間なので、事実上東名阪自動車道の全区間が閉塞することに 
なる。もちろんこのときは名古屋西から先の区間や接続する名古屋高速万場線にも渋 
滞列は延びるが、出口の多い都市高速道路の特性により閉塞状態は回避されている。

※1 西名阪自動車道の交通渋滞
 大阪側の交通渋滞も本線料金所に起因する。阪神高速松原線の接続や近畿自動車 
道、阪和自動車道の延長により松原本線料金所、天理本線料金所ともに渋滞が慢性化 
した。先ごろ、両料金所ともに改良されたため渋滞はかなり緩和されている。

続く