【はじめに】
山手通り富ヶ谷交差点から初台交差点までの首都高速中央環状新宿線本体、および
関連(山手通り拡幅)工事の現況について調査した。現地調査は2003年2月11
日です。(◆図1)
当該区間の首都高速中央環状新宿線も本線は前後区間と同様に全区間トンネル構造
で、シールド工法が採用されているため3ヶ所の工事関連施設周辺以外には地平道路
の通行帯規制は実施されていない。3ヶ所とは、南から渋谷区元代々木町地内の代々
木換気所、渋谷区初台2地内の新宿南R(ランプ)、そして新宿区西新宿3地内の初
台交差点上空までの西新宿JCT(ジャンクション)である。以下に各施設周辺の詳
細を記す。
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◆図1
首都高速中央環状線縦断図。
(首都高速道路公団WEBサイトから引用。)
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【代々木換気所】(富ヶ谷交差点から代々木八幡前までの区間)
富ヶ谷交差点の北側の山手通りは、小田急線オーバークロス部を過ぎるまで首都高
速関連の地上施設が予定されていないので、従来の4車線道路のままである。拡幅に
ついては現道の両側に空き地、空き家が目立つので用地確保は進んでいるようだ。一
部の確保済みの用地は、首都高速のトンネル工事関連の基地に使われている。今後は
地下区間の進行により、4車線用の歩道橋を撤去して8車線用に置き換えられる。
(車道としては南北両方向で6車線だが、2車線分の中央分離帯や路肩が設置される。)
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◆画像1
渋谷区上原1
富ヶ谷交差点から山手通り初台方面をのぞむ。
富ヶ谷歩道橋から撮影しているが、この歩道橋は山手通り拡幅工事の進行に伴い撤
去される。
(2003年2月11日、著者撮影。)
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◆画像2
渋谷区富ヶ谷1
富ヶ谷交差点から井ノ頭通り表参道方面をのぞむ。
井ノ頭通りは、水道道路なのでほとんどが直線区間で、武蔵野地区と城南地区を短
絡するベストルートである。ただし、幅員が極めて狭いため幹線道路とは言えない。
表参道から代々木上原駅付近まで拡幅済だが、その先は本当に拡幅できるのだろうか。
(2003年2月11日、著者撮影。)
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小田急線オーバークロス部は、山手通り現道の高架橋は架け替えられる。この付近
は小田急線が浅い掘割構造になっているので、高架橋はアプローチ(斜路)がすべて
盛り土構造の低いものである。したがって、容易に架け替えられるはずである。それ
でも相手が鉄道なので、本体工事ではなく安全確保の調整に多くの工数がかかる。首
都高速中央環状新宿線は、トンネル区間なので小田急線を深い位置でアンダークロス
する。もちろん、鉄道線には何ら影響はない。なお、小田急線とのクロスの南側では
営団地下鉄千代田線が地下を横断している。首都高速はさらにこの下を通過する。
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◆画像3
渋谷区元代々木町
山手通り富ヶ谷方面、小田急線オーバークロス部をのぞむ。
(2003年2月11日、著者撮影。)
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渋谷区元代々木町地内に首都高速中央環状線用の代々木換気所が設置される。この
換気所は中央分離帯に塔を形成する標準型である。
現時点では換気所の工事は地表面には現れていない。山手通りも何ら通行帯規制は
行われていない。ところで、地下シールドトンネル工事はいくつかの立坑を掘ること
になる。その立坑が、トンネル工事後にも何らかの施設に代用できれば合理的であ
る。ここには代々木換気所が設置されるので、都合が良い。現道両側はすでに拡幅用
地が確保されているので、現道を両側に移して中央帯を工事領域とすれば合理的だ。
しかし、工事領域は北行き車線の左側拡幅予定地(◆画像4の左側)に設置されてい
る。南行き車線(現山手通りの東側)(◆画像4の右側)の拡幅用地確保が遅れたの
だろうか。
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◆画像4
渋谷区元代々木町
山手通り初台方面をのぞむ。
ここには首都高速中央環状新宿線の代々木換気所が予定されているが、地表面(山
手通りの中央分離帯)では工事が展開していない。また、山手通りも旧来のままで拡
幅工事が展開していない。ただし、道路の両側には空き地、空き家が多く、拡幅用地
はほぼ確保済と考えられる。画面左側の工事施設は、中央環状新宿線本線トンネル工
事用の基地である。工事の進捗により、この基地は撤去されて山手通りの中央分離帯
に移動する。ここに代々木換気所の換気塔が設置される。もちろん、山手通り現道は
両側に移動してセパレート構造になる。
(2003年2月11日、著者撮影。)
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