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松見坂から松涛までの区間は、地上施設の建設予定がないので、地平での交通規制 は実施されていない。渋目オーバーパスの前後の区間はちょうど丘陵のピークにあた る。中央環状新宿線のシールドは、地下を横断する京王井の頭線のはるか地下を通過 する。 先述のように、山手通りの交通規制が最小限になるように中央環状新宿線の工事は 進行している。もちろん、それが実施できるような設計になっているのだが。 ところで、都市で実施されたシールドトンネルの実績には、環七通りの環七地下河 川※2がある。1987年に着手されて、1996年に1期分4.5キロが完成し た。このトンネルは、環七通り直下に建設している。地下河川は環七通りに地上施設 が不要なので、環七通りの脇に立坑を設置している。したがって、環七通りの通行帯 規制は実施されなかったはずである。現在も2期工事が進行しているはずだが、くだ んの東京都WEBサイトの環七通りの工事一覧には、地下河川関連の規制は見当たら なかった。 ※2 環七地下河川(説明文は、東京都のWEBサイトから引用。) 【目的】 水害が頻発している神田川の中流域に「環七地下河川」を先行的に整備し、当面こ れを調節池として利用するものです。計画は、環七通りの道路下に延長4.5キロ、 内径12.5メートルのトンネルを建設し、ここに神田川と善福寺川の洪水約54万 立方メートルを貯留するものです。これにより、環七から下流は、概ね1時間50ミ リ程度の雨量に対する安全性が確保されるとともに、環七より上流に向けて河川改修 を進めることができます。 【事業概要】 ・第1期事業 第1期事業は、神田川の洪水を貯留するために、延長2.0kmのトンネルと、洪水 を取り入れる取水施設を建設するものです1987年度から着手し、以来、鋭意事業 を推進した結果、1996年度末に完成し、1997年4月より約24万立方メート ルの調節池として供用を開始しています。これにより、調節池下流では、洪水に対す る安全性が大きく向上します。 第1期事業では、杉並区梅里に工事用の発進立坑(外径28.2メートル、内径2 5.0メートル、深さ59.9メートル)と、洪水時に貯水する地下調節池トンネル (外径13.7メートル、内径12.5メートル、延長2キロ)及び、杉並区和泉の 環七通り方南橋のたもとに洪水時に取水する施設(越流セキ、導水路、取水立坑、連 絡管渠等)が完成しました。さらに、平常時に、地下調節池トンネルから河川へ放流 する排水施設(1台当たり毎分50立方メートルの排水ポンプ2台)が完成しました。 ・第2期事業 第2期事業計画は、善福寺川の洪水約30万立方メートルを貯留するため、延長 2.5キロのトンネル(内径12.5メートル)と洪水を取り込む取水施設を建設す るものです。1990年度から着手し、現在善福寺川取水施設の立坑工事を実施して います。また、妙正寺川発進立坑では用地取得が完了し、今後は立坑やトンネル工事 の早期完成をめざします。 |
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