ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

北九州高速の成長を下到津Rに見る3



 北九州高速道路としては4号線の編入は画期的だったが、1号線の未着工区間には 
陰りが見えてきた。この区間は、4号線の大谷ICと紫川JCTまでの区間の約2キ 
ロ北側を並行している。4号線が日本道路公団管轄の別の有料道路だったころには、 
北九州高速道路公社が独自に重交通区間に並行路線を建設することに多少は意味があ 
ったが、4号線が編入されてしまえば無駄な路線と捕らえられても仕方がない。しか 
も、先述のようにこの区間の用地収用は極めて困難である。

 さて、北九州高速道路はほかの都市高速道路に比べて交通量に余裕があり、慢性的 
な交通渋滞は発生しない。それでも交通量が多く渋滞の発生する可能性が高いのは、 
4号線の紫川JCTと黒崎ICの間の区間である。紫川JCTの線形改良以前は、平 
日朝は東行きが渋滞していた。つまり、1号線の未着工区間に平行する4号線の区間 
の交通需要が大きいということである。また、一般道路の交通量においても北九州市 
内では、戸畑BPは屈指である。したがって、何らかの対策を施す必要はある。
 
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北九州高速1号
(旧計画線)
諏訪町Rから
西本町Rまでの区間。
(1978年発行
「北九州市」
(昭文社)から引用)
【現計画線】

 北九州市で最大交通需要を誇る八幡東区と小倉北区の区間の健全な流動を保持する 
ため、次の2つの視点で改良が施されている。一つは、唯一の高速道路である北九州 
高速4号の補助線の建設である。これは、計画が頓挫した高速1号の代替にあたるも 
ので、北九州高速4号の大谷ICから戸畑区の高速2号に新たな路線(北九州高速5 
号)を設定して、2つの高速ルートが選択できるようにする。もう一つは、国道3号 
から北九州高速へスムースにアクセスできるよう、高速1号旧計画線の一部見直しを 
はかる。

 本論では、それぞれの計画を北九州高速の路線を主体に説明する。
 
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北九州高速下到津R付近
(福岡北九州高速道路公社
2001年6月発行
「北九州都市高速道路案内」
から引用)
(1)高速1号線

 現在、下到津Rで切れている1号本線を旧計画線のルートのまま戸畑BP(R3) 
まで延長する。旧計画では、下到津Rは全方向アクセスのフルセットランプだった 
が、この形式もそのまま踏襲される。ただし、延長区間は一般道路の都下到津線にな 
る。1キロ足らずの短区間だが、文教地区の丘陵地帯を貫通するため土かぶりの少な 
いトンネル構造になる。
 
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都下到津線トンネル工事現場。
(前田建設WEBサイトから引用)
 都下到津線は、戸畑BPとの交差部も含め全線立体交差の高規格幹線道路で、事実 
上の高速1号の戸畑BPへの直結にあたる。2002年度中に開通する予定である。 
戸畑BPの交通量は多いが、八幡東区中央から小倉北区上到津までは信号の少ない立 
体交差構造なので前後の区間に比べて流れは良い。上到津から砂津までの平面区間で 
の混雑を避け、早めに高速に乗ることができるようになる。短区間の延長でも絶妙な 
位置に接続されるため効果は大きいと考えられる。
 
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都下到津線モンタージュ
(北九州市WEBサイトから引用)
(2)高速5号線

 2001年7月2日午後2時、枝光Rと大谷JCTの区間2.4キロが開通した。 
同年7月にスペースワールドで開催される「北九州博覧祭2001」に間に合わせる 
ため、複雑な構造の大谷ICが不完全なかたちのままでの開通になった。
 
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北九州高速5号全貌。
(福岡北九州高速道路公社2001年6月発行
「北九州都市高速道路案内」から引用)
 大谷ICは、北九州高速4号が北九州道路のころから八幡市街へのアクセスに利用 
されていた。高速4号が丘陵を貫通しているため、トンネル(大蔵TN、大谷TN) 
に挟まれた狭い明かり区間に線形のきついトランペット型の出入口から一ひねりさせ 
て市街地に降りていた。
 
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北九州高速4号大谷出入口
(福岡北九州高速道路公社
 WEBサイトから引用)
 複雑な構造の大谷ICを5号本線分岐にして、一般道路へのアクセス機能も維持さ 
せるため大規模な改良が施された。

1 北九州高速4号大谷IC前後のトンネル拡幅
 高速4号東行き大蔵TNの断面を広げて、大谷IC、および高速5号からの合流車 
線をトンネル内で延長させた。

2 大谷ICのランプ増設
 高速4号大谷ICをジャンクション化させると、大谷IC分岐までのアプローチが 
短すぎる。つまり、高速4号の双方向(小倉方面および八幡方面)からの合流直後に 
大谷IC出口と高速5号への分岐が発生する。逆に大谷IC入口においても同様の問 
題が生じる。そのため大谷ICランプを5号本線の左右両側に設置することにした。 
つまり大谷ICランプ部は、現在出入2車線分で1つのランプが担っているが、将来 
は出入口でそれぞれ2本ずつ、計4本のランプになる。高速5号が枝光Rまでの部分 
開通であり、交通量は多くないと考えられるため、当面は1本のランプのままである。
 
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北九州高速5号大谷出入口、
大谷ジャンクション
(北九州市WEBサイトから引用)

続く