ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

中国自動車道VS山陽自動車道とラダーネット4



 
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 山陽自動車道
 徳山西IC付近
(「高速道路と自動車」(高速道路調査会)
 1991年3月会報から引用)
 広島と山口の間における、中国道と山陽道の距離、および通過時間を示す。中国道 
で関西方面から走行してきたとき、そのまま中国道で山口JCTに向かうと132. 
2キロで、広島道経由で山陽道は140.6キロになる。中国道をそのまま走行した 
方が距離は短い。ところが時間は4分ほど山陽道が早い。これは、中国道が山間部を 
通過するため制限速度が80キロであるのに対して、山陽道は100キロ区間が多い 
ことによる。山陽道で関西方面から走行してきたときは、広島道経由で中国道を利用 
するのは、距離、時間ともに選択するはずのないものである。つまり、広島以東いか 
なるルートを使用していようと、山口以西に向かう場合は、広島からは山陽道にシフ 
トする方が有利ということである。
 
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 山陽自動車道
 山口南IC
(JH中国WEBサイトから引用)
 中国道の広島北JCTと山口JCTの間は不要である。それが言い過ぎならば、戸 
河内ICと山口ICの間は不要である。有料道路として管理費用がかかるならば、無 
料開放して一般国道にでもすればよい。この区間は中国道では唯一の積雪多発区間 
で、除雪費用も相当かかる。4車線ではもったいないので、2車線だけ対面通行で使 
用して少しでも管理費用を節約するという手もある。中国道は、関西の重交通区間を 
含むため総体では赤字路線にはなり得ない。IC区間ごとの細かいデータを見なけれ 
ば廃道候補にはならない。高速道路の収支を道路の愛称名に沿った分類ではなく、各 
JCTで区切りにして実情を把握すべきである。赤字ローカル高速道路の多くは迂回 
路が一般道路である。高速道路を建設するほどではなかったということである。でも、
これは間違っている。一般道路と高速道路では、構造だけでなくその役割は異なる。

一般道路でも80キロで走れるから、料金のかかる高速道路は地元の人は利用しない
という理由では説得力はない。重交通の東名高速道路でも袋井ICから磐田ICまで
は、平行する国道1号が立体交差の準高速道路なので不要であるという人は誰も 
いないはずである。しかし、広島北JCTと山口JCTの間には迂回ルートとして利 
便性の高い山陽道がある。廃道化に反対する理由はないだろう。途中のICの利用も 
少ない。高速道路としての需要はない。

 と、このようにまとめることもできるが、これはある意味偏った意見である。
中国自動車道(六日市ICと鹿野ICの区間)、
山陽自動車道(玖珂IC と熊毛ICの区間)の
通過交通量の経年変化。
 
高速道路のラダーネットワークを全面に出せば簡単に否定できる。ただ、それでもラダー 
ネットの弱みを見せた区間であることは確かだ。ラダーネットは、首都高速湾岸線と 
東関東自動車道がつながって成田へのエアポートアクセスが、京葉道路経由と2つに 
なったときに一般的になってきた。開通当時は首都高速台場線も大井JCTもなく、 
もちろん横浜へも直通していなかったため、なかなか湾岸ルートへシフトしなかっ 
た。湾岸ルートと都心を結ぶルートが増えるにしたがって、交通量は増大していっ 
た。これがラダーネットの効果である。現在は、東京と横浜の間でも同様の構造にし 
ようとしている。一見無駄に見える首都高速横浜環状北線(第三京浜港北ICと首都 
高速大黒線生麦を結ぶ)もラダーネットの重要な構成線になる。ただ、全区間地下構 
造のバブリーな代物であるため採算面を考えると過剰供給のような気もする。
広島と山口の間の
中国自動車道と山陽自動車道の距離関係。
 

続く