EXIT26は、I85とI285のジャンクションで、改良前は完全クロー
バー型だった。また、近接するEXIT25、27の区間は、右車線は織り込み区間
になっていた。交通量が少なければ問題はないが、増大する交通量により本線通過交
通に定常的に影響を与えるようになった。そのため、全方向に連絡する4枝直結型へ
の改良に着手した。このとき、EXIT25、27、およびI85のEXIT36に
織り込み区間が存在しないように考慮された。4枝直結型のジャンクションは、最大
4層の立体構造になるが、近接ランプが複合して、さらに複雑な構造になっている。
複雑な構造のジャンクションは、アメリカではスパゲッティジャンクションと呼ばれ
るが、EXIT26はその典型例にあげられるようになった。
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I85(NORTHEAST EXPWY.)北東方向行き、
I285ジャンクション分岐部(EXIT No.35)。
(1990年9月14日、著者撮影。(以下すべて))
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I85(NORTHEAST EXPWY.)北東方向行き、
I285ジャンクションランプ部。
右方向は、I285(THE PERIMETER)内回り、
および、CHAMBLEE TUCKER RD.方面出口
(EXIT No.27)へ連絡。
左方向は、I285外回り、
および、BUFORD HWY(GA13)方面出口
(EXIT No.25)へ連絡。
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I85(NORTHEAST EXPWY.)北東方向行き、
I285ジャンクションランプ部。
正面のオーバークロスは、I285外回りから
I85南西方向へ連絡する
ジャンクションランプ部。
(このジャンクションの最高層(4層目)にあたる。)
左側のI85本線は、PLEASANTDALE RD.
方面出口(EXIT No.36)の
分岐部起点になっている。
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I285のEXIT No.25とNo.26
(I85とのジャンクション)との区間。
側線の織り込み区間は約600メートル
(0.4マイル)である。
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EXIT26は、4枝直結への改良により全方向への高速分岐が可能になり、
近接出口へのアプローチも側線を介するようになった。本線通過交通は格段にスムー
スになった。一見、派手な改良に見えるが、高速本線は以前のままなのでとても安価
で合理的な改良である。例えば、東名高速道路の厚木と御殿場の区間の本線拡幅や、
名神高速道路の京都南と吹田の区間の本線拡幅は、東名、名神の全線の建設費に匹敵
する莫大な費用がかかっている。それでも交通量の多い東名、名神では楽にペイでき
るので問題はないのかもしれないが、他に手段はなかったのだろうかと思えてしま
う。EXIT26の改良は、三ッ沢ジャンクションの数回におよぶ改良に近いアイデア
ではないだろうか。
(1) 第三京浜と横浜新道の直結
(2) 第三京浜と首都高速の直結
(3) 首都高速と横浜新道の直結
(4) 首都高速下り線と横浜新道下り線の専用ランプ設置
(5) 横浜新道の拡幅
それぞれの時代のニーズに合わせて、最小費用で改良を繰り返した。最終形を
見れば、当初からこうしておけば無駄はないように思えるかもしれない。しかし、都
市計画とはそういうものではない。20年程度先の需要を予測して供給するのであ
る。三ッ沢ジャンクションのケースは、どの改良も将来予測が甘いとは言えるが、過剰
供給よりはましだと思う。
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