ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

大阪優位4 変形するグッドデザイン(道の川柳・森川晃)

阪神南港中R 2

 ところで、この構造では高速道路本線が高架2層目になっている。この位置にラン
プを設置するとなると平面までの長いアプローチが必要になる。スパイラル形式なら
ば狭い空間でもアプローチできるが、大型車混入率の極めて高いこの地区のランプに
は適当ではない。
 
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  入口ランプの本線合流部
また、当該地区は1区分の大きな区画整理をしており、整然とした
区画を維持するためには既存の道路空間以外の土地を使用する形式を避けたい。さら
に道路空間においては、南港水路横断部(南港大橋)では複雑な構造を避けるためラ
ンプ部が至らないようにしたい。

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 歩道上に橋脚を立ててランプ部の
本線拡幅分を支持している。
 既存のニュートラムと一体型の橋脚に
接続しているが、拡幅分の既存橋脚へ
の荷重負担はない。

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 入口ランプ部の合流車線終端部、
および一般道路の南港大橋アプローチ部を望む。
 南港中ランプの付加により、グッドデザインの高架構造は見事に変形した。変形後
の構造は複雑でグッドデザインを維持できたとは思えない。実用本意の構造になって
しまった。
…が、これで良いと思う。

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  南港大橋から入口ランプ部を望む。
 インフラは実用的であるのが本来の姿である。道路構造物は決して静止しているも
のではない。時期に応じて変化すべきである。開通して20年を待たずに計画時のコ
ンセプトでは耐えられない変化を強いられた南港地区の阪神高速道路は、とても役に
立っているということです。すべてが実用本意にすべきだと言っているのではない。

インフラには構造物としての寿命以外に、快適に使用するための寿命があることを理
解していただきたいということです。新たなコンセプトでもグッドデザインを維持で
きればベストですが、公共事業である道路整備では現在のニーズに加えてせいぜい2
0年先に耐えられる程度の投資しか許されないのでなかなか難しい。

 南港地区の開発はまだ途上で、さらに大きな流通が発生する可能性がある。今後の
変化を見守りたいと思う。