ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

日米・道路比較

(撮影・東長崎機関/回答・森川晃)


   シアトルの99号線。海岸線なので、塩害による痛みがはげしいですね。
   それでも東海岸の諸都市よりは新しいので
   まだまだ使えそうだ。(森川晃)
シアトルの海岸線は、1987年に見たときから、ほとんどメンテナンスされ
てないようですが、それでも、東海岸よりは良いのですか?(東長崎機関バブル絶好調担当班)


  ニューヨークのWESTSIDEは鋼構造で
  さび付いて崩壊してしまいました。
  撤去費用がないため随分放置していましたが、
  この2?3年で撤去し、地下構造で作り直しに着手しています。
  ボストンでも同様の崩壊により、地下構造で作り直し。
  一部開通しています。
  ニュージャージターンパイクも崩壊寸前です。
  フィラデルフィア、ボルチモアも同様。
  ニューヨークではブルックリン橋の上部(2層構造)は
  つり橋のワイヤーがいつ切れてもおかしくないので
  通行止めになっています。
  (実は1本切れて、
   走行中の自動車を吹っ飛ばす事故が発生しています。)
  アメリカには道路をメンテナンスする予算はありません。
  20年前発行のアメリカ連邦道路局発行の本(アメリカの道路)が
  手元にありますが、これによると
  現在のメンテナンス予算のままだとすべての高速道路の
  メンテナンス完了には100年かかると記されています。
  つまり、ある路線に着目すれば、
  100年おきにメンテナンスされることになります。
  塩害、重交通、地震などで100年もたない区間は
  当然崩壊します。
  毎年、舗装し直している東名、名神は幸せものですね。

              (森川晃)
これが99号の1ST AVENUEへの分岐部だ。
	  
     下部構造のデザインへの配慮余裕のないところが、
     阪神高速環状線(なんば付近)に似ている。

            (森川晃)




これは、曲線のコンクリート梁がまだ技術的に難しかったころですか?
(東長崎機関)

  例えば、首都高速の古い開通区間に後から付加した
  停車帯は、台形ではなく長方形になっています。
  台形の斜部梁は構造上難しいので長方形梁にして
  上部で台形部分だけを使っています。
  付加の場合は下部のカーブ化は難しいかもしれませんが、
  新規の場合はなんとかなるはずです。
  ただし、構造物の中に構造力学上無駄な領域が発生します。
  つまり工費が余計にかかります。
  土木にデザインという概念が入り込んできたから
  まだ20年くらいなので、仕方なかったかもしれない。
          (森川晃)