ヒマヒマ検察庁で無実の主張

オリコン訴訟・第1回口頭弁論・傍聴



着席位置から見たイメージ。
東長崎機関メンバー氏は、烏賀陽(うがや)さんの真横の席でした。
つまり、最前列。左から3人目。

2007年2月13日(火) 13:10から約20分間。
東京地方裁判所民事部第709号法廷

この日のハイライトは、
烏賀陽弘道の意見陳述。

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陳述概要(あくまで概要です、完璧でも正確でもありません)

裁判官、弁護団に対して「職務に敬意を表しています」的な挨拶のことばから始
まり、1963年京都生まれ、京都大学卒朝日新聞入社という自己のプロフィー
ルを語り、「真実に忠誠を誓ったジャーナリズムという職業」という表現のとこ
ろでトーンを上げた。

そしてオリコンによる訴訟行為は、そのジャーナリズム、つまり報道と言論の自
由に対しての妨害だ。「民事訴訟という形を取った言論妨害」という表現のとこ
ろでは、かなり迫力をかもし出していて、音響効果抜群の法廷内ではエコーが効
いていた。これは報道と言論に対する恫喝行為であり、先の武富士事件と同じよ
うなものであると、烏賀陽氏は武富士事件を引き合いに出した。

オリコンは出版社であるサイゾー編集部を告訴せずに、烏賀陽個人を訴訟対象と
することによって、烏賀陽を孤立させる方法を採っている。5000万円という
高額の賠償請求は、フリーランス烏賀陽を経済的に抹殺する目的のものととらえ
られる。オリコンは、サイゾー編集部に対して、記事の削除や訂正は求めてい
ず、突然、烏賀陽、への訴訟という行動に出た。

この裁判は、フランスのNGO国境なき記者団により「烏賀陽を支持する」とい
う発表がなされ、世界130カ国に配信しれた。この裁判は、世界が注目する裁
判となっている。

また、烏賀陽が行ったのは、編集部からの電話取材に答えるというもので、烏賀
陽本人が記事を書いたわけではない。このような数行の電話コメントに対して、
5000万円の賠償が発生する可能性があるということになると、誰も、電話取
材になど回答しなくなるだろう。つまり、これは、自由な報道と言論の抹殺だ。

オリコンは、このように自由な報道と言論に対する挑戦をしている。
よって、この裁判で、訴えられるべき者はオリコンのほうである。

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裁判長

つまり、記事の「読み方」ですね。
「読み方」以外には、なにか、陳述しておきたいことはありませんか?

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烏賀陽側弁護士

ハイ、特にありません。

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裁判長

コメントの「読み方」についてで、コメント内容が、記事内容と特に違うという
わけではないのですね。
反論は?

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オリコン側弁護士
「2月9日の準備書面に答える作業は進めています」

裁判長
「1ヶ月で足りますか?」

オリコン側弁護士
「提出期限です。はい、1ヶ月で大丈夫です」

裁判長
「では、3月9日でいいですか?」

オリコン側弁護士
「ええと、3月16日にしてください」

裁判長
「では、次回公判派、3月21日にしますか?」

弁護士
「その日は別件ありましてダメです」

裁判長
「では、4月3日、午前」

他の弁護士
「私がダメです。4月10日ならいいです」

「4月10日は、私がダメです」
「では、4月3日の午後」
「ハイ、午後1時10分でどうでしょうか?」
「いや、2時」
「2時から別の公判あるので、1時半」
「はい、では1時半」

     後略・・・


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傍聴感想)

烏賀陽さんのスピーチがすごく名演技だった。
淡々と語るのではなく、声の抑揚を明確にし、オリコンを断罪する言葉のときに
は、めいっぱい音量上げて、迫力満点。裁判って、もっと淡々としたつまんない
ものかと思っていてこういう期待はしてなったのだが、裁判モノ映画かドラマみ
たいだった。

で、気になるのは、烏賀陽さんのコメントによって書かれた記事の内容が、真実
なのかどうなのか。原告オリコンの争点はそこである。その争点に対して、被告
烏賀陽は、「自分のコメント内容は真実だ」とは一言も述べず、オリコンの訴訟
行為そのものの正当性についてのみ語っていた。

第一回口頭弁論による烏賀陽側第一撃は、敵中枢部に打撃を与えられなかったの
ではないだろうか。サイゾーでのコメント内容記事内容が真実か否かの点で勝ち
ポイント上げないと、戦況は苦しいのではないだろうか。まあ、東長崎機関氏
は、裁判には素人なんでよくわかりませんが、米国式のディベートを参考に見る
と、これでは、烏賀陽側苦戦の前兆に見えてしまう。

フランスのNGOが支持しているとの烏賀陽答弁のように、メティア戦争で烏賀
陽側が優勢に立ちつつあるようだが、その戦術は日本の司法にどこまで威力を発
揮するか。烏賀陽さんは、同じライブハウスで演奏している仲なので、反撃大作
戦華麗なる逆転劇を見れること期待しますよ。
やはり、戦いにはドラマがほしい。


>>口頭弁論終了後報告会

続く