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シリア市街戦発:戦車運用の技術講座




至近距離から狙われる市街戦で、故障した戦車の運命は?
左手前にチョコっと映ってるのが、
戦車整備班の戦車回収車であることを見逃すようでは、
戦車マニアの共通一次試験に不合格だよね。 
戦闘が激しくなって、カメラのオートフォーカスがピンポケだけど、
これなら左の車両が整備チームであることわかるね。
整備班が後方支援だとおもっていた人は心を入れ替えましょう。
先頭で突入する戦車チームにさえも同行してます。
これが、戦車戦闘の現実。
前方のT−72戦車が側面ボディーに
RGPの命中弾を受けてるね。
でも、戦車にとっては、こんなん、かすり傷ていどらしい。 
帰還した戦車の1台は、地雷とRPGで、転輪と誘導輪がふっとばされていた。
それでも、無限軌道車(キャタピラ車)は、問題なく生還。 
側面の油圧パイプラインが、RPG弾でふっとばされてた。
油圧パイプラインが長いことが、T−72戦車の弱点として、
このシリア戦争では指摘され始めたが、致命傷ではないようだ。
シリア兵は、パイプラインを短く分散してほしいと、
ロシアの戦車技術者に要求している。 
側面の増加装甲ボックスは、RPG弾でかなり破損しているが、
この破損や脱落が、戦車兵の人命を救ってる。
砲塔前面に直撃したRPG弾の弾痕は、凹んでるだけ。
砲塔前面は最も装甲が強いところ。
戦車は一度出撃すれば、数発のRPGを受けるのはご挨拶とのこと。

RPG弾4発を受けても淡々と帰還してゆくT−72戦車の映像 
操縦席ハッチ付近の電気ケーブルも、T−72戦車の弱点。
しかし、外部電源があれば、復旧可能なことが多い。
というわけで、上の画像にある整備班の回収車が外部電源車としてサポートに徘
徊してくれることが、戦場では大事大事よ。
「回収車でなく、電源車でもよい」というコンパクトな意見もシリア市街戦発。 
市街戦では、小石がファンに飛び込むことが多く、NBC(核生物化学兵器)防
護装置の作動に問題が生じると。これも、シリア市街戦での教訓。 
対空機関銃とは、車長ハッチ前にある12,7ミリ機関銃。
車長が身体を露出して機関銃を撃てるほど、実際の戦車戦闘は甘くない。
自衛隊も、考え直さないと、無意味な12,7ミリになってしまう。
シリア戦車兵は、車内から12,7ミリを撃てるシステムを求めている。
2013年2月以降は、12,7ミリを取り外して出撃する戦車が増えている。

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シリア市街戦の教訓は、今や、先進国の軍隊でも、真剣に検証する題材になって
いる。市街戦戦術も、2012年12月の初期段階と2013年2月ではかなり
変化してます。同じ町での戦闘が継続しているため、技術や運用の進化を試験し
やすいようです。試験や実験は、似た環境下で要素を変えて何度もやって比較検
討することが望ましいので、同じ戦場ってこと大事ね。
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参考映像

(このページのシリア戦争画像は、ユーチューブ等からのパクリです)

続く