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戦車兵神博行の自衛隊チェック83

(戦車周りの作業いろいろ)


『泥濘地を移動する戦車』


 戦車部隊のではどんな訓練があるのか知っていますか?。
戦車ファンやマニアの方々は戦車と言う物に興味があっても、その戦車の中で動
かす兵隊のことには余り興味が無いのか知っている人は少ない。
戦車乗っている隊員は戦車乗員と呼ばれ肉体的にも頭脳的にも厳しい訓練や勉強
をしてやっと戦車に乗れることを知っていますか?。

もちろん戦車以外の職種でも同様に厳しい訓練をしますが、戦車隊員になるには
まず適性検査に合格し機甲科隊員になる必要があります。
『単車訓練の戦車乗員』



 機甲科の隊員に選ばれても安心できません、偵察隊員になったり整備班や通
信、補給などの職務になると戦車には乗れません。
機甲科の隊員でも戦車に乗るものが戦車乗員となるのです。
戦車乗員は74式戦車の場合、下から装填手、操縦手、砲手、車長の順で写真で
も右から車長、砲手、操縦手、装填手と並んでいる。
各職務を一人前になってもまた上の職務が待っている、装填手で一人前になって
も操縦手になれは一から修行しなければならないし、砲手や車長もまた同じである。

車長になっても小隊陸曹になればまた覚えることも多いし、小隊長になればまた
大変な勉強と訓練をしなければならない。
『戦車砲弾を戦車に積載する』


 戦車の訓練はいろいろあるが、戦車射撃も中々大変な訓練だ。
的になる『的(テキ)』を停弾堤に設置したするのも大変な作業だ。
 そして射撃後の停弾堤の整備は大変だ、冬は地獄だ!。
射撃をする場合も以前紹介した弾薬数の確認も一苦労だ、紛失したら大問題に
なってしまう。
射撃後の手入れも大変だ、射撃は朝早くから夜までかかる。
 砲弾を戦車に積む時は『弾』と持ち上げ上の者が『よし』と言って受け取るま
で持ち上げている、砲弾の重量24Kg。
『戦車射撃』


 私がいた頃は戦車射撃は粘着榴弾を多く使っていたが、跳弾の事故が多発して
縮射装置を使った射撃も多かった。
 今は訓練弾としてある一定の距離を飛ぶと自動的に落ちる砲弾を射撃で使って
いるようで、昔のように停弾堤が無くても射撃できるそうです。

停弾堤が無いだけで射撃が大きく変わる、だって着弾した場所で修正して次弾を
射撃するが、着弾した場所が判らないと修正がちょっと困難になるかも、洩光弾
のようにはっきり見える弾なら良いけど実戦なら敵に発見されちゃうね、より実
戦的になる方が国にとって良いことです。
『冬季戦技競技会』


 戦車部隊は戦車に乗って訓練しているだけでは無いく、毎日駐屯地内を走った
り、冬になれば冬季戦技(走るスキー)をするし銃剣道やその他の訓練教育を
やっている。
 冬の訓練は雪まつりで時間を割かれる中、冬季戦技訓練もあるし冬期間しか出
来ない訓練もしなければならない。
『冬季検閲』


 冬季検閲は冬に行われる訓練検閲で、夏や雪の無い時期とは全く異なる寒さと
の戦いだ。
装備も冬季の装備になる、マイナス10度以下の演習場での訓練は厳しい。戦車
は鉄で出来ているから中は冷凍庫だ、足が千切れそうに痛む。
 夏はもちろんクーラーなんて付いてないからサウナになる、4億円もする高級
国産車なのに…。
 戦車部隊に限らず北海道の部隊は冬は冬季戦技の訓練をするが、そのスキーは
特殊だ、クロスカントリーのスキーより重く、踵が浮き、スキーの板の滑走面に
鱗があり、わざわざワックスを塗って鱗の溝を埋める。
ワックスを気象条件や気温に合わせて塗るのも大変な苦労だし、当然ワックスは
自分で購入する、結構かかる。

 一度滑るとワックスをバーナーで落とす、そのバーナーも自分で買う。人から
借りるのも限界があるし忙しい時は大変だ、実戦でもそうするのか?なんて言っ
たら怒られるので我慢しよう、冬は出費が多い。
でもスキーに燃えている隊員は自分専用の自衛隊用スキーを買う者もいる。
『銃剣道』


 もちろん銃剣道だってする、銃剣道をやると右の二の腕が青タンだらけになり
悪い注射を打ったように内出血する。
 銃剣道は新隊員の前期教育で基本を習うが飽くまでも基本だけ。
これで初段を貰って中隊に配属になるが、試合形式の第3教習はとても楽しい、
なにせ滅多突きに嫌な奴を突きまくる、もちろん突きまくられこともあるが…。
戦車連隊に居た頃連隊が全国大会で優勝したことがあった、あの頃は皆気合いが
入って凄かった。
『履帯交換』


 戦車部隊は戦車の整備も大変な作業だ、整備班の隊員だけが整備するのでは無
く、戦車乗員が整備するのが基本、パイロットでは無いのだ。
 結構面倒な作業だし、知識と経験も必要。
体力も必要だし、力の無い者では勤まらない。
『バラキューダで偽装』


 偽装問題が多い中、自衛隊は偽装の訓練をする、偽装の意味が違うか…。写真
はバラキューダで装備を隠す、形で隠した物が解らないように起伏を付けて何が
あるのか解らないように工夫している。
 しかし準備も含めて結構面倒な作業だ、移動する時は畳んで戦車に縛着しなけ
ればならないし、迅速に行動する場合もっと簡単にならないものかと思ったもの
だ、だってあんまり急ぐと枝とかに引っ掛けて破れそうなんだもん。
高い装備品だから大事に使おう、戦車部隊の訓練の一部でした。

続く