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イラク戦争で米軍がバグダッドを陥落させ、まだ、イラクの内戦もそれほど本格 化していなかったころ、米軍の機甲戦術についての講義を研修の中で行った。 背後の写真は、約200メートル離れたイラク軍拠点から撮影した米軍突破強襲 部隊のM1A1戦車 |
この「イラク戦争機甲戦術研修」は、陸上自衛隊某部隊の幹部研修の中で行われた。 自衛隊イラク出撃から2年以上がたち、今のところイラクの自衛隊も死傷ゼロだ から、ということで、「問題ないでしょう」ってことでアップすることになりま した。この研修は、イラクへ第一次群が派遣されたころのことです |
教材テーマは、米陸軍第3師団によるバグダッド突入、 つまり、イラク戦争のハイライトである。 第3師団の攻撃は、連日行われていたように見えて、実はそこには1日おきに攻 撃の強弱があった。戦車を重点配備されている第2旅団が動くときが、第3師団 にとって「強」の日だ。第2旅団が補給メンテに費やす間には、第1および第3 旅団が側面攻撃をするが、これは「弱」の日になる。 戦場に身を置くと、このような強弱の波が感覚としてわかる。師団規模の軍事作 戦だと、10キロくらい離れたところにいても、この強弱はわかる。 戦闘行動なんて人間のやることだから、だいたいリズムがある。そのリズムに乗 るようにすることが、戦場で疲れない方法だ。 この強弱リズムを感じ取れない人は、チグハグな動きをすることになる。 専門屋同士でないと、なかなかこの強弱感の話は伝わらないから、講義としてこ れをテーマにしたのは初めての試みでした。 |