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タパス モラキュラーバー

(三越前・スペイン創作料理)
タパス モラキュラーバーは、ホテル マンダリンオリエンタル東京の最上階、オリエンタルラウンジの奥にある小さなカウンターで味わう一口サイズの21皿のコース料理。理科の実験さながらに、シェフが目の前で披露する斬新な料理パフォーマンスもコースの楽しみのひとつ。ディナータイムに6席のカウンターで2回しか行われないため、一日12名のみが体験できる。
これはスペインの有名なレストランの公開されているレシピをベースに作られていて、年に5回ほど、20%程度のメニュー入れ替えがあるのだとか。斬新なスペイン料理といえば、サン・パウがあるが、タパス モラキュラーバーにもそんなテイストが感じられた。スペインは食材の持ち味を大事にしながらも、スタイリッシュに冒険する土壌があるのだろうか。
個性的で遊び心に溢れた贅沢な試食コースは、気分も胃袋も満足させてくれる。意外性も楽しみのひとつなので、これから行かれる方は、ここから下は見ないでチャレンジすることをお勧めします。
タパス モラキュラーバーは \8,800(+サービス料10%)
このコースにあわせたシャンパンのコース(3種が合う料理のタイミングで供される)は\3,000(+サービス料10%)

オリエンタル ラウンジ タパス モラキュラーバー
TAPAS MOLERCULAR BAR TEL:0120-806-823 03-3270-8188 18:00〜/20:30〜の2回
マンダリン オリエンタル東京38F 東京都中央区日本橋室町2-1-1
すし屋のカウンターみたいに、氷の上に食材が並べてある。
シェフが「へい、お待ち」と(は言わないが)カウンターに並べるメニューを自分で取って食すスタイルだ。
「サイドカー」

まずは、コクテールとスナックのコーナー。
ミニチュアのビールみたいでかわいらしい。この泡は何で出来ているか不明だったが、とにかくキメ細かくてふわんふわん。
「ノリのリゾット」(左)「カリカリビーツ」(右)

最初からアバンギャルドな料理と盛り付けだ。
手づかみで一口で食べるようにと指示が出る。
ノリのリゾットは、ノリ塩味のスナック風で、カリカリビーツは見た目は海草風。どちらも酒の肴にぴったりの味。

「オリーヴの雲」

皿といい乗っかってるものといい、石鹸の泡?としか思えないのだが、勇気を出して、スプーンで口に放り込む。
信じられないことに、オリーブオイルそのものの味がする。
不思議だ。最初からこんな展開では、いったいメインのタパス(試食)はどうなることやら。

「イクラとパッションフルーツ シリンダー」

うおっ、なんだこれ。いったい何が入っているのかわからない。高級駄菓子か?しかも、このシリンダーを咥えて一気に吸い込むのがシェフから言い渡された正式な食べ方なのだ。

ジュルスパッ。なるほど、パッションフルーツの味。食感は柔らかいゼリーみたいな感じかなあ。イクラの存在感はないかも。

「パイナップルとサーモンのラビオリ」

ここからが、タパス(試食)のコーナーです。
その名のとおり、サーモンの重ね焼きです。
おしゃれだけど、度肝を抜く系ではありませんでした。
「白ワインを食す」

不思議なタイトルだが、実物はもっと不思議だった。
白ワインを構成するエレメントをひとつひとつ味わうということで、12種類の小さなかけらがシャーレに乗っている。食べる順番も決まっていて、それが何か当てるという舌を試される一品。わかるものと全くわからないものあり。全部正解の人は自慢していい。ちなみに、ガラスだけと思われた底には薄く白ワインゼリーが敷かれていた。
「メロン フィレ」

メロンのいちばん柔らかいところ、あの種がいっぱい詰まってる中心部の種をピンセットで1つ1つ取り去って切り取ったもの。
「リングイネとホワイトソース」

このメニューの名前からは想像つかない一皿。
小麦粉を使わないパスタはみかけはところてんみたいだが、ちょっとちがう。不思議な味と食感だ。
「凍ったビーツスープと帆立貝」

色鮮やかなビーツがシャーベットのように。
凍ったスープというのもシャリシャリしてて面白いね。
「ディスコントラクテッド ズッキーニ」

米粒みたいに見えるのはズッキーニの種。
でも、味はなかなかイケるのだ。
これを一品にしようと思いつく発想がすごいね。
注射器と水槽の実演。

水槽の上にでっかい注射器を下向きに並べ、ぶちゅっぶちゅっとオレンジの液体を垂らす。と、あ〜ら不思議。水中にイクラみたいな丸い玉がころころと踊りだす。これは、このあとの料理に登場するそうだ。理科の実験コースなのだ。

「フォアグラわたあめ」

またまたどうしてこういうメニューを考え出すんでしょうか。こってりの王様フォアグラと綿飴ですよ。
綿飴状の部分の材料は判別不能だが、中心部のフォアグラのミニキューブとよく合ってました。ひょっとして、綿飴もフォアグラなのだろうか。

「ロブスターの注射」

実験コースならではのメニュー。
スポイトの先に串刺しにされているオマール海老を口に放り込みながら、同時に、スポイトをぶちゅっと。一気に中のソースを放出させて、オマールと同時に味わえるようにするのだと指令が出た。このスポイトの使いこなしが難しく、一気に全部を放出するのは無理だった。ソースはオマールの味噌ベースです。贅沢なおいしさなんだけど、食べ方はワイルド。
「にんじんキャビア」

水槽に注射器で謎の液体をたらして出来たイクラ状のものは、にんじんでした。食塩水に入ると膜が出来てこんな感じになるのだそうで、にんじんゼリーみたいなツルンとした食感になっていた。
「フォアグラのスープ ショウフロアー」

アツアツのフォアグラスープの上にひんやりあわあわがのっかっていて、このギャップを一緒にいただくのがお作法のメニューです。味と温度の両方の幅広さを一度に味わえます。
「魚のフライ」

一緒にごろごろしているズッキーニの花もバクバク食べます。
「カレーパン」

親指サイズくらいの超ミニカレーパンが出てくるのを予想していたのだが、見事に外れた。
左にカレー味の具が並び、右にパン。のはずなのだが、右側の食パンっぽく見えるのはメレンゲ。食すも正体は不明でありました。
「肉じゃが」

薄いローストビーフをかぶったふわふわのマッシュポテト。はい。確かに肉じゃがの材料の組み合わせではありますね。またまた実験器具っぽい謎の容器に盛り付けられているのだが、筒状になったところに入っている白いものは、ティッシュペーパーです。なぜかって?これにはトリュフの香がスプレーしてあるので、このティッシュを取り出して鼻に当てながら、肉じゃがを一口にパクリとやる、というのが指令でありました。でも、このトリュフ香は強烈だったため、容器に放置したままでも十分。匂いをオカズにってなんだか昔の小話みたいだね。
「ミントとヨーグルトのロリポップ」

あの球体の飴が出てくるのかと思ったら、シャーベット状のキャンデーだった。すぐに食べないと薄ーいので崩壊してしまう。
これが、試食コーナーの最後の口直しでした。
「パイン パイン パイン」

デザートとプチフールのコーナーの一品目。
3種類のパインということで、パイン(松)の実まで登場。
左の寒天状のものは、まさしく寒天みたいだったが、真ん中のムースっぽいものは味が濃厚。右はシンプルなカットパインだった。
デザート2人前

オリエンタルなテイストの盛り付け。
2人分が一緒に出てくるので、やっぱりペア向きだね。
「サフランとチョコレートのカプセル」

デザートも小粒ながら摩訶不思議。
ガラスのカプセルに土と葉っぱは入ってるように見えるのだが、これは飴の中にチョコとサフランが入ってるのだ。

「ニューヨークチーズケーキ」

きびだんごではありませぬ。
ニューヨークのチーズケーキは団子状なんだろうか。

「グリソールのマシュマロ」(左)
「バニラ グミ」(右)

ぷよぷよした赤すぐりのマシュマロもオブラートに包まれたレトロな外見のバニラグミもちょっぴり酸味が利いてて、大人のオヤツという感じだ。
??

またまた わたあめ状のものが登場。
メニューにはそれらしきものが見当たらない。
ま、いいや。ぱくっ。ん。
なんと、デザートにつきもののエスプレッソでした。
「フルーツ」

小さい方から、レモン、オレンジ、グレープフルーツ。
えっっ、レモン、そのまま食べるのー?
とりあえず、レモンはすっぱいということを確認して
くださいだと。はいはい。酸っぱいです。

ではここで、このフルーツを舐めてください。
んん?フルーツの友として出されたのがこれ。
豆じゃありません。ミラクルフルーツだ。
種を噛まないように、口に含んで待つこと1分。

ふたたび、フルーツの皿に戻ってレモンを口に。
おお、これはレモンの形をしたグレープフルーツではないか。
酸味を消す働きのあるミラクルフルーツの効果は1時間程度?らしいので、この間に普段は味わうことの出来ない不思議な味覚を楽しめるのかもしれない。
ちなみに、オレンジはオレンジな味のまま、グレープフルーツは伊予柑みたいな味になっていました。
  そして。
最後にもう一品。これは事前にもらえるメニューにも書かれていないので、体験してのお楽しみ。



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