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米大手メディアに、ゴジラ・ブーム! 3

(報告:常岡千恵子)


 その2日後、10月6日に、今度はニューヨーク・タイムズが、前
回のゴジラ報道からわずかひと月ちょっとを経て、新作を含むゴジ
ラ映画の社会性を分析した、「我は日本なり、聞け!我が咆哮を」な
る記事を掲載。日本の新聞でも同様だが、同紙が約一か月の間に2
度もゴジラを報じることは、異例中の異例といえよう。
 日曜版特別セクションの『Week in Review』版に登場したこの記
事は、ゴジラ映画のテーマが常に日本社会の世相を反映してきたこ
とを指摘し、「日本人がどんな夢を持ち何に不安を覚えているのか
知りたければ、その答えは新作のゴジラ映画を観れば十分」と総括。

 そして、1974年に宇宙人の地球侵略兵器として初登場して以来、
これまで3度登場したメカゴジラの設定は、それぞれに日本人のテ
クノロジー観を示唆してきたと分析する。約10年前、日本が初の国
連PKO活動を遂行した時期に製作された『ゴジラvsメカゴジラ』
では、メカゴジラは国連傘下の組織が開発した対ゴジラ用戦闘兵器
だったことにも言及。

 欧米人と比較すると、日本人は元来ロボット好きで、近年はアイ
ボやアシモなど自然でスムーズな動きをするロボットが生まれ、ま
すます親近感が高まっている。この時代背景を踏まえ、今回の新作
で4度目の登場となるメカゴジラは、これまでのぎごちない動きを
かなぐり捨てた、と説明する。
 さらに、新作の主役に女性自衛官を据えた、手塚昌明監督の「お
父さんだけじゃなくて、お母さんだってキミたちを守るために、一
生懸命なんだよ、と伝えたかった」という言葉を引用しながら、新
作は女性の役割を再考する作品でもあると紹介。


 ところで、ニューヨーク・タイムズと提携関係にある朝日新聞は、
この『Week in Review』に掲載された記事とニューヨーク・タイム
ズ本紙のめぼしい記事を集めて、『Weekly Review』というニューヨ
ーク・タイムズのダイジェスト版を毎週発行している。通常、ニュ
ーヨーク・タイムズの『Week in Review』に載った日本関連の記事
は、必ず『Weekly Review』に転載されるのだが、なぜか今回のゴジ
ラ記事は完全に無視。ニューヨーク・タイムズ本体がこれほどゴジ
ラにご執心なのに、それを切り捨てるとは一体どういう了見なのか!
 繰り返すように、ゴジラは世界に轟く日本の文化である。
 朝日新聞よ、その偏狭な見識と国際オンチぶりを恥じよ!