東長崎外(国内)北海道

北恵庭駐屯地1

(写真/文:神博行)



90式戦車


 日本の機甲部隊のメッカと言えば北海道恵庭市の北恵庭駐屯地である。
そして私の青春時代を過ごした駐屯地でもある。
106o無反動砲装備のゲリラ部隊


最近自衛隊のイベントへは地元の公開放送をしているラジオ番組のリスナー同士で知
り合った通称「ためおやじ」さんと一緒に各地を遠征している。
北恵庭駐屯地は「恵み野」駅の方が近いが、シャトルバスの出る恵庭駅で下車し、た
めおやじさんと待つ。

観閲行進準備中の1群


8時半にはシャトルバスが来ると言うのだが45分になっても来ない。
恵庭にはパン工場やらビール工場やらがあって会社のバスがひっきりなしに来ては従
業員を乗せて行く。
恵庭には少なからず住んでいたが、街はこのような産業が発達していたとは知らな
かった、いや工場そのものは知っていたが、会社のバスが駅まで来て連れて行く人数
が
意外なほど多かったのが意外であったのだ。
72戦車連隊長車


駅前は閑散としていて店も少なくコンビニすら付近にはない、ためおやじさんはイラ
イラし出し駐屯地へ電話する。
しばらく待つとシャトルバスが到着、バスに乗り込もうとしたら、「神!」と運転席
から呼ぶ声がする。
見ると11戦車大隊時代、最後の11戦車大隊戦車射撃競技会で大隊bPクルーとし
て表彰された時の砲手N2曹であった。
キャリバー50の空包弾を装填するゲリラ


懐かしい、無口で補給小隊出身で操縦手から砲手に昇格して「初年度砲手」で大隊
1になった凄腕の砲手だ。
親しいとまで言わないが、私の有終の美を飾った思い出の人である、10年以上振り
の再会であった。
「どうしたんですか、バスの運転手なんかやって名砲手なのに」と言うと「俺、今群
にいるんだ補給小隊なんだ」と寂しい話だ。
「俺が大隊でbP砲手だっのを知ってるのは神くらいなもんだよ」と言う。
なんだか遠い昔話のようで、戦車乗員であったN2曹の自衛官歴はほんの一瞬に近
かったようだ。
106o無反動の空包射撃


「でもシャトルバス来るのが遅いですよ」と愚痴を言うと「遅くないよ」と言う。
駐屯地へ着くと充分早かったのでN2曹は遅くなかった発言は間違いではなかった。
北恵庭は余り模擬戦もやらないし、派手ではない。
駐屯地が狭いのでそんなイベントはできないのだ。
戦車ばかりで他職種も少ないし、私的にはつまらない駐屯地である。