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日露戦争の忠霊搭、揮毫は乃木希典陸軍大将
全国の神社仏閣などや、街中の記念碑や慰霊碑に明治時代から昭和にかけての軍人が
揮毫したものを多く見かける。
特に東京ならちょっと歩けばいろんな種類の石碑がいたるところにあって、歴史的な
人物が揮毫したものなど珍しくない。 |
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「忠霊碑 希典書」
戦史研究家でもある神博行としては、各地を歩くと忠霊塔を発見すると誰が揮毫した
のかを見るのを趣味としている。
そうすると面白い人物が揮毫しているのが解りとても勉強になる。 |
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「頌徳碑」元帥陸軍大将子爵川村景明の揮毫、
川村元帥は日露戦争時鴨緑江軍司令官で活躍した
地元に関係のある将軍や提督が揮毫していることも珍しくない。
日露戦争の慰霊碑なら、戦没者が所属していた部隊の長に関わる軍人が揮毫している
ことも多く師団長クラスから軍司令官クラスが多い。
北海道は旅順攻略の第3軍に所属していた第7師団の関係から乃木希典大将が揮毫し
た忠霊塔も珍しくはない。
個人への揮毫はしない方針であった乃木大将も戦没者の慰霊碑は頼まれると快く揮毫
したため全国各地に乃木希典筆の慰霊碑がある。 |
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「ノモンハン英魂之の碑」須見新一郎大佐 元26聯隊長の揮毫
そんな所から地元の歴史や、どの戦争にどんな形で関わってきたのかが解る。
日露戦争の時の7師団長大迫尚敏中将(後の大将)の揮毫した慰霊碑もあるし、後の
戦争に戦没者を出した時の師団長なり部隊長なりが揮毫した有名無名の軍人達が揮毫
した慰霊碑もあって調べると面白い。 |
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「札幌招魂社」教育総監で2.26事件で暗殺された渡辺錠太郎大将は元7師団長
揮毫をお願いする時に誰を選んで、その人物がその慰霊碑の戦役にどう関わっている
のか知る良い機会にもなるのだ。
陸軍大臣だった東條英機が揮毫した忠霊搭も見たことがあるが、街と戦役に特に関係
がある訳ではない人物が揮毫している場合などは、その人物の時の権勢を知る場合も
ある。
顕彰碑や記念碑にも軍人が揮毫していたり、明治から昭和前期までは軍人はとても人
気があったのだと知ることができる。
札幌招魂社を揮毫した渡辺錠太郎は教育総監で二.二六事件で暗殺された。
第7師団長で北海道とも縁があり、旭川の常磐公園の揮毫などしている。
位階勲等などや肩書きなど長々と書き入れるもの箔が付くのだろうが、乃木大将の
「希典書」と比べると人柄まで伝わってきそうな感じがするし興味深い。 |
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肩書きや位階勲等が長々と入っている
戦後の忠霊搭や慰霊碑は知事とか市町村長が揮毫していて正直つまらない。
「ノモンハン英魂之碑」のように、当時の聯隊長であった須見大佐が揮毫しているよ
うな、縁のある人物の揮毫だととてもしっくりくるし意味も深いように思う。
田舎町でも偶然見付けた以外な人物の揮毫した石碑など発見すると、なにかその人物
がとても身近に感じられる時があって石碑を見るのも悪くはないと思う。 |
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民家の庭にある乃木大将揮毫の「國富在農」 |