東長崎外(国内)北海道

乃木希典陸軍大将の遺墨

(写真/文:神博行)



乃木大将の感状


歩兵25聯隊は日露戦争で、旅順戦に投入され二百三高地を占領した聯隊である。
その功績に対し、乃木希典第3軍司令官は歩兵25聯隊長渡辺大佐に対して感状を出
した。
それが写真の感状である。とても大事されていたことがわかる。
「熟慮断行」


乃木希典大将は忠霊搭などの揮毫などは多数残っているものの、個人宛てに書いた揮
毫は乃木希典の方針では書かなかったので極めて少ない。

偽物も極めて多いので「そんなことはない」とおっしゃる方々もいるだろうが、これ
は史実である。
特に「教育勅語」の偽物は多く本物と確認された物がないといわれている。
全国各地には乃木学習院院長の手によって書かれたとされる「教育勅語」がよく展示
されているが真筆は専門家でも「見たことがない」とさえ言っている。

骨董屋や古書店でも乃木希典の手紙がよく売られている、真筆かどうかは目利きが必
要だ。
中国人の描いた爾霊山に乃木大将が書いた漢詩「爾霊山」


乃木大将が渡辺大佐に懇願され断りつつも、「二百三高地は私の墳墓である」との言
葉に打たれて特別に乃木三絶句の一つ「爾霊山」の漢詩を揮毫した。とても由緒正し
い乃木大将の真筆である。

私は小学生の頃より乃木希典を崇敬しているが、このような歴史的裏付けのある乃木
大将の真筆に触れることはとても嬉しい。