東長崎外(国内)北海道

浜大樹上陸訓練を見た

(写真/文:神博行)


 浜大樹の上陸訓練は2年に1度くらいだそうだ。今年は第10師団が北海道で
訓練する、昔は「北方機動演習」いわゆる「北転」と呼んでいたが、今は「北
転」とは言わないそうだ。浜大樹訓練場の沖合約5キロ洋上には、海上自衛隊の
輸送艦「しもきた」が7月7日に舞鶴を出港し7月9日には北海道の道東にある
大樹町浜大樹に現れた。
 上空には北部方面航空隊所属の対戦車ヘリAHが警戒にあたる。先行員をUH
で上陸させ、普通科の隊員が上陸地点を警戒する。
先行員として警戒に当たる金沢の14普連の隊員

今回の10師団は師団長の方針で、各駐屯地に寄っても体育館には宿泊すること
なく、廠舎にも入らず天幕か野外で宿泊するという精強ぶりであった。師団長自
ら率先躬行で野外で眠るそうで、これには師団の隊員全員が見習うことであろ
う。実戦なら駐屯地に寄って宿泊なんて訳にはゆかないのだ。師団長の迷彩戦闘
服の胸には金色のレンジャーバッチが輝いていた。さすがである。
いよいよ上陸開始だ

10師団広報陸曹も小銃を常に傾向していた、広報が小銃を持って状況説明して
いるのはとても新鮮であった。広報室長は腰に拳銃があって、これも広報という
より戦闘の状況を説明する戦闘部隊指揮官のようであった。中部方面隊の10師
団は精強だとこれだけでも感じた。
先行員も警戒しながら上陸訓練を見守る

 同行した元2佐の小島氏は中部方面総監とは幹部レンジャーの同期でバディ
だったそうで、中部方面総監も10師団長もレンジャー有資格者である。今時の
将官は「レンジャー」が必須科目なのかもしれない。CGSだけ出てもレン
ジャーくらいはでていないと将軍にはなれないのかも知れない。
 10戦車の74式戦車も上陸し警戒にあたっていた。戦車も上陸した、第10
戦車大隊の74式戦車だ。北海道では74式戦車も珍しい部類に入ってきてい
る。ちゃんと警戒にあたる、稜線視察の要領で姿勢を前下げにして地形と水平に
して警戒していた。写真は前下げする前の陣地進入の戦車だ。
エルキャックを上空さら空撮する

 5旅団広報の計らいで、5飛行体のUHから空撮させて頂いた。腕の良いパイ
ロットと評判の1尉が操縦するUHで上空から上陸する車輌を撮影した、貴重な
経験だった。グランドパワーのカメラマンは「雨男」との評判があり、ミリタ
リーカメラマンの間では都市伝説のように知られている。しかし、今回の空撮は
K氏と同乗しての撮影で、彼も今回で「雨男」の伝説は払拭したであろう。暑い
北海道の夏であった。

K氏は東長崎機関北海道として私神博行で公募した「戦車に乗ったら目の色かえ
ろ」の合い言葉を唯一私に投げかけた人物なので、いずれ記事を投稿してくれる
だろう。とっても貴重な取材であった、精強10師団を知ったことも収穫であった。