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恋するアズィーザ/唄うクレオパトラ5




【銃と私と】

あなたと出会ったことが
もしも間違いだったとしたら
きっとなにも知ることなんてなかったでしょう
戦争や平和とか愛することとか
シアワセって意味とか
私の知らない世界のことを
きっとわからず
ずっと生きていたでしょう

人目を忍んで出かけたこと
二人だけの秘密とか思い出とか
いつも複雑な気持ちでいた
不安や愛情がつのっていって
なにもかも捨ててついていきたかった
恐れを知らない若すぎた私に
きっと何も選ぶことなんかできなかった
ただあなたと一緒にいたかった

冷たい女だってあなたは言った
甘えるのなんか下手だった
これが本当は愛なのかって
体が震えるほどに悩んだ
私はきっと心の中であなたを
裏切っているような気がしてたんだ
あなたがそれに気づいてるってことも
私は知っていたんだ

(チェチェン・首都グロズヌイ/2007年8月)
銃の代わりに私を抱きよせるのと
私の代わりに銃を握り締めるのは
どちらがあなたの幸せなのかって
正直わかりたくなかった
雪の降る夜に
森の中に二人きり
あなたの思い出話を
静かにきいていたあの頃

いつか思い出すかなって
思ってたあの頃
今になってもよく
私は思い出してるよ
あなたと最期まで一緒にいたかった
あなたの結末を今は
誰にも知らされたくない
生きるのがただ辛くなるだけだから
アズィーザ・クレオパトラ(AzizA=菊池由希子)のブログ

続く