軍事・戦争 | インフラ海外拠点コーカサス

ジェット機に対空砲火命中の瞬間




チェチェンの首都グロズフイ上空。
ロシア軍の地上攻撃機スホーイSu−25。
赤外線追尾ミサイルを回避するためにフレアを発射しながら
高度約850〜1000メートルで進入。


2週間ほど前に、赤外線追尾ミサイルによって撃墜されていたので、
フレア発射はかなり頻繁だ。
中央の黒影がスホーイSu−25。

このとき、スホーイSu−25を迎え撃ったのは、
12,7ミリ機関銃×1と、20ミリ機関砲×1、
タイミングからして、命中したのは、12,7ミリのほうのようだ。

頭上の機体からゆっくりと広がる白煙が出たのが命中の瞬間。
東長崎機関カメラマンはその瞬間は撮り逃したが、
スホーイSu−25が急旋回・反転・急上昇するところで、
やっと、1枚を撮れた。このとき80〜200ミリ望遠レンズが装着されていた
のが、手動巻上げのニコンFMだったことが悔やまれる。
自動巻上げのF801Sは、爆撃による至近着弾で自分やチェチェン兵たちが
吹っ飛ばされるシーンを激写するために24〜50ミリ広角レンズになったてい
たのだ。(いずれにしても3流カメラマン装備だね)

Su−25の上昇性能は素晴らしかった。
とても、200ミリ望遠では追いきれない。

チェチェン兵に「命中したか?」って訊くと
「命中したけど、2〜3発当っても落ちない」と。

でも、Su−25は爆撃進路から退散して、爆弾を落とさずにどひかへ逃げて
いってしまったのだから、爆撃を失敗させたいという効果はあるのだが。

チェチェン兵いわく
「爆撃したとしてもロシア軍の爆弾なんてどうせ当らないんだから、爆撃を断念
させた意味などない」

その後、航空自衛隊F−15パイロットに訊くと
「12,7ミリ弾が1発当ったら、パイロットとしてはかなりの衝撃で、
びっくりしますよ、たぶん。急上昇退避したい気持ちわかります」と。





撮影:2005年2月下旬。


このシーンを画像でしか表現できないのだが、
音響BGMが、戦場マニアにはたまらないのだ。
サウンドバリアーギリギリのジェット機の大爆音。
連射し続ける3挺の対空砲火。
爆弾の命中を避けて移動しまくる装甲車輌たちのエンジン音。
スホーイ急上昇時にサウンドバリアを超えた
「ドドドーン」という衝撃音。
怒鳴りあってるチェチェン兵士たちの姿はあるのだが、
人間の声などまったく聞こえない。

「これぞ、戦闘真っ只中の最高の音の芸術だぜ」って。

口を閉じておくと鼓膜が吹き飛ぶから、口をバカっぽく開けてこうね。
これ、ちょっとツウっぽい戦場ノウハウ。