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新資本論から見た日本経済

(加藤健二郎 2015.7)


世界的ヒットといわれてる「新・資本論」。
その著者のトマ・ピケティさんですら、
日本の経済がなぜうまく行ってるのかを
「摩訶不思議で理解不能」としか結論できない。
民間部門が金持ちで、政府部門は借金まみれ。
これがフランス人には不思議らしく、
重課税すればいいなどと、小学校算数レベル
なこと述べている。
しかも、最後に「日本をヨーロッパに近づける。
つまり債務危機に近づける」方法を提案している。
欧州人の本性ここにあり。

とはいっても、日本経済についての考察以外のところは、
なかなか読みごたえあり、現代のルールに正しく乗れば乗るほど、
富裕層が楽して儲かり貧困層はのし上がれないという、
フランスの経済力学を解説し、ユーロ圏内で各国が自国の経済政策を
やりづらいし、また買ってやってもらっても困るし、という
ところを説明している。
つまり、著者のトマ・ピケティさんは自分の専門については
かなり高い分析をしている。しかし、日本については、
そんな有能な彼でさえ「摩訶不思議で理解不能」と。
最高の褒め言葉だね。

で、トマ・ピケティさんの論に沿えば、
ユーロ離脱を模索しているギリシャは賢い選択
という論理になるのかな?
トマ・ピケティの新・資本論