活動メディア関係のトピックス

『いますぐ読みたい 日本共産党の謎』




『いますぐ読みたい 日本共産党の謎』
(篠原常一郎著/筆坂秀世監修/徳間書店刊/税込み1,260円)
----------著者インタビュー:情報戦上の楽園----------
いますぐ読みたい 日本共産党の謎
	  

情報戦上の楽園は、上のバナーをクリックしてください。


 2009年8月末の衆議院選挙では、“小沢一郎革命”とでもいうべき劇的政変
が起きた。その歴史的政治経験からひと月経て、本来の“革命政党”であったはず
の日本共産党を題材に異色の政治入門書が刊行された。著者は、元日本
共産党国会議員秘書の篠原常一郎氏。かつて、“論客”でならした筆坂秀世氏日本
共産党政策委員長・参議院議員の秘書だった人物だ。監修を引き受けたのは筆坂
氏である。では、著者インタビューの抜粋といこう。

日本共産党は、日本で最も歴史の古い政党である。1922年7月15日結党から、今
年で87年だ。しかし、著者の篠原氏によれば、「これこそ、革命政党としての失
格を示している」という。
「今回の衆議院選挙は、民主党の流れが出来て13年で政権交代という“革命”をや
りとげました。小沢一郎さんが“政権交代可能な政治改革を”と小選挙区制を衆議
院選挙に持ち込むために画策し、自民党を飛び出してから考えても17年です。

一方、日本で“革命政党”の一枚看板を掲げる日本共産党は、結党から87年たって
も党是である革命成就をできなかった。最近は、“マルクスの後継者をどういう
わけか自認している党最高指導者、不破哲三さんなどは“21世紀中には、社会主
義か資本主義かが問われる時代になる”なんて寝ぼけたことを言っている。目標
を明確に示せず、自分が肉体的生命の上でも責任をとれない時期のことを“予言”
することほど政治家、まして革命家として無責任なことはありません。精神的退
廃です。“自民も民主も同根”なんて批判するのはけっこうだが、今回の政権交代
にかけて全力をあげた民主党の取り組みから、もっと謙虚に学ぶべきです。少な
くとも、現状では“革命政党落第”です」

 篠原氏は、筆坂氏がスキャンダルを事実上、デッチ上げられ2001年に“失脚”し
たことに大きな怒りを感じたという。そして、それに抗議する形で党内で画策し
ていたのを問題にされ、半年間の査問の末、2004年11月に党を除籍(追放)され
て本部職員としての身分を失った。

 とはいっても、著書で“恨み節”でも述べているかと思ったら早計である。特別
寄稿している元外務省情報分析官で作家の佐藤優氏は、「篠原氏や筆坂氏と話し
ていると、自分が外務省に対して抱いているような“愛着”というか“愛情”を日本
共産党に抱いているのがわかる」と指摘している。本書の文章にも、それがにじ
み出ている。その愛の部分を見つけるのも、読み方としておもしろい。
執筆動機と展望について篠原氏は語った。

 「共産党とマルクス主義について、誰が手にとっても面白く、楽しみながら門
口に立てるような本が書きたかったのです。そう思ったのは、民主党の元参議院
議員で小沢一郎さんの相談役をされている平野貞夫さんと出会ってからでした。
平野さんと交流させていただく中で、マルクス主義というものが日本の政治文化
の底流にきちんと位置づいているということに気づかされましたね、元共産党員
の僕が。そこで、共産党とか共産主義という、すぐにうかぶような疑問のキー
ワードを軸に、“共産党の謎”を解き明かしていく試みに取り組んだのです。かつ
て、“日本共産党ナンバー4”だった筆坂秀世さんに相談しながらですね」

「私は衆議院選のあと、民主党衆議院議員の政策秘書の職をいただきました。そ
して、思うのですが日本という社会は単独の価値観であるとか単一の政派によっ
て統合される政治風土はない。たとえば、野に下った自民党は民主党政権の暴走
を抑止するため、大いに健全で根拠ある批判の論陣をたたかわすべきですし、共
産党は底辺の国民の声をもひろい、国政に反映させるために全力をあげるべきで
す。そうしてこそ、日本の民主主義は機能し、国民本位に国政が前進する道がひ
らかれる。たとえ紆余曲折するにしても、です」(篠原氏)