ロシア、 語られない戦争 (アスキー新書)
強国の歴史は、戦争軸で語られることが多い。
歴史が戦争軸で語られるということは、文化や芸術、民族性や思想、その他の
多くの要素を語るにも戦争を外すことはできない。そして、ソビエト・ロシアを
語るのは、戦車研究を外してしまっては、大国ロシアの本質は見えてこない。日
本では、「マニアっく」と言いう言葉を口実にして、戦争や軍事に詳しいモノを
避け、自分に軍事戦争の知識がないことを正当化する傾向があるが、それは日本
が敗戦国だからかもしれない。戦勝国民の戦争に対する感覚は、敗戦国の日本と
はぜんぜん違う。戦争や軍事に対して、スカッとした明るさだあるのだ。ジメジ
メしてない。自国現有兵器の弱点を公開できる心のゆとりがある。
だから、「秘密が多い」といわれてきたソビエト・ロシアでも、こんなにたく
さんの情報が公開されている。自衛隊の情報公開と比べると、日本人には、ここ
までスカッと軍事情報を公開する生き様の格好良さがない。正々堂々としていな
い。敗戦国民だからである。戦争に負けることが、民族性に与えるマイナスは大
きい。戦争に勝っても、戦争がなくても、厳しく苦しい生活を強いられているロ
シア人が、軍事戦争になると、これだけ快活な情報公開を自信ほ持ってできる。
戦勝国民と敗戦国民の違いを感じるてみるとも、こういう本の読楽しみ方だ。 |