活動送られてきたグッズ(書籍以外)

映画「エグザイル・絆」試写会




 アクション映画としては、静と動が一瞬に入れ替わるその緊張感は良い構成 だ。また、不必要な派手さや残酷シーンもない点もいいかな。しかし、場面設定 が、綺麗に整いすぎている。まあ、これは、表現したいテーマを際立ててたいる という点では、リアルさにこだわらないのも、映画制作として、ありだろう。

 香港マフィアたちによる抗争、銃撃戦を描いた映画。「美しく愛おしい最高の 男たち」というキャッチフレーズを売りにしているが、この映画から、それを感 じ取れることはなかった。感じたのは、「これが、香港人が夢見るカッコイイ男 の生き様なのかな」ということである。日本でも、邦画の多くがヤクザ映画だっ た時期があるが、破壊や殺しや死をカッコイイと感じるようだとしたら、香港も まだまだだね、って感じてしまった。

 瞬間的に突然起こる、チョー至近距離の銃撃戦を淡々とこなしてゆく男たち。 その淡々ぶりからは、いかにも、「その状況は全て想定内のもの」という達観し た雰囲気を感じるが、どうも、そうではないようで、いろいろと計算違いの失態 が起こっている。つまり、「危機に直面しても淡々としてる男たち」を描きた かったのだろう。

 拳銃での撃ちあいでは、残弾の数の描き方、正確に狙うときの銃の構え方がシ ングルアクションであったりなど、マニアをそれほど満足させるものではない が、静と動が一瞬で逆転する構成でカバーしているともいえる。登場人物たちの 銃の腕前は、レベルが高そうな雰囲気で描いているのだが、結果からみると、あ まり急所に当てっていない、無駄弾が多い。


映画「エグザイル・絆」 2008年12月6日、ロードショー開始
歌舞伎町・シネマ・スクエア/渋谷・イメージフォーラム