|
自主制作映画を作る人たちをテーマにした映画。 そして、この映画「窓辺のほんきーとんく」自体が、自主映画制作のベテラン陣 で作られているので、「自主映画の裏方の現実」という点でも、リアル感、バッ チリである。オープニングが、どんでん返しの連発で始まるところなどは、ス タートダッシュのなかなか良い構成の映画だ。その後も、予想を裏切る展開と、 読み通りの展開とが、なかなかよい割合で混成されていて、次の展開を気にしつ つ最後まで興味を絶やさずに観れた。 各人のアクションに、表現をわかりやすくするためか笑いをとるためかのオー バーアクションがあるが、映画の全体の流れがしっかりしているので、もっと ノーマルな表現でもよかったと感じた。また、場面として出てくる男のアパート は、もっとちらかっていて生活感のある部屋にしたほうがよかったかも。あのア パートは風呂付アパートだったのかどうか、そのような生活経験をしている私と しては、気になった。風呂があるか銭湯通いかで、けっこう生活リズムって変 わってくるもんだからね。 映像の画質は、このテーマの映画にはぴったりマッチしている。大予算映画にあ りがちな綺麗なライティングよりも雰囲気がいい。、だからといって、ドキュメ ント映画のように粗いわけではなく、また、技巧や特殊効果に頼ることもなく、 ストレートに表現しているところもよい。「冬で寒い」という設定は伝わってき たが、もう一声、具体的な寒さ表現、雪が降ったり雨が降ったりがあると、な お、よかったかな。 映画「窓辺のほんきーとんく」 2008年9月27日〜10月10日 池袋シネマ・ロサでレイトショー公開 出演:辻岡正人 吉沢明歩 安藤彰則 神楽坂恵 増田俊樹 今野悠夫 椎葉 智 ホリケン。 監督:堀井彩 |