活動送られてきたグッズ(書籍以外)

「アフガン零年」試写会


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「アフガン零年」OSAMA
2003年  アフガニスタン-日本-アイルランド
少女は生き延びるため 少年になった
2004年3月13日より 東京都写真美術館ホールにてロードショー

2004年ゴールデングローブ賞 外国語映画賞
2003年カンヌ国際映画祭カメラドール特別賞
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<物語>
父や兄を戦争で失った12歳の少女は、祖母と母との三人で暮らしている。身内
の男性を伴わず女性が外出することの出来ないタリバン政権下、少女の母親は少
女の髪を切り、彼女を少年の姿に変えて働きに出すことを思い付く。少年となっ
た少女は父の旧友のもとで働き始めるが、ある日街中の少年たちとともに宗教学
校(マドラサ)へ連れて行かれてしまうことになる・・・。
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<感想>
教育を受けたり仕事を得るために少年に変装する少女というのは、当然いるんじゃ
ないかと思う。でも、この映画で描かれている女性の姿はすんなり信じられない。
女性が生きているのが不思議だ。ストーリーや戦争や人権の話の前にまず、「女
に生まれなくてよかった」「アフガンでなくてよかった」と思ってしまうだろう。

さて、作品についてだが、主役の少女は「少女」時代と「少年」時代で印象がガ
ラリと違う。いくら少年っぽくても周囲のガキと比べるとあまりにも品がよすぎ
る。少女をかばってくれる御香屋の少年が、すごくいいヤツで、この映画に唯一
明るい光をともしてくれる存在だ。彼のような優しさがちょっとずつ広がってい
けばいいのに、現実は優しい心の持ち主ほど悲しい思いをするようだ。

これはアフガン戦争後初めて作られ、2004年アカデミー賞外国語映画賞にノミネー
トされなかったことがニュースになった作品だ。アフガン人の監督は北部同盟側
のマインドの持ち主なので、タリバン政権を辛らつに描いているのか、実はもっ
と壮絶なのか。監督がアフガン人だからというだけでなく、映画の質のよさが世
界的な評価につながっているのだと納得できる作品だった。

                    (ミルク)