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<感想1>
ダニエル・デイ=ルイスの映画だった。アメリカ生まれの組織ネイティブスのボス
として、孤独、意地、情深さ、弱さを漂わせながらもアクの強い凄みのオーラを
放っていた。ディカプリオもキャメロン・ディアスも彼の前では影が薄い。
ただ全体としては、スコセッシ作品という期待が大きすぎたのか、散漫な印象だ。
1863年。南北戦争が激しかった頃のニューヨークの雰囲気は伝わってくる。
暴力、暴力、暴力。戦争から個人のいさかいまで、暴力の博覧会みたいな映画を観て
いると、よくもこんなささくれた街が現代のように変貌したなと感心してしまう。
思えば、アメリカは建国当初から戦い続けているんだね。ここまで内部でやりつく
したら、戦うのはもう沢山だと思いそうなんだけど。
扱ってる題材のせいか、日本人にはいまいち大作とは感じにくい。でも、小さな権
力争いなんかやってたら、双方まとめてもっと大きな外敵にやられちゃうよという
状況は、幕末を連想させるものがあった。日本もこんな混乱状態だったのかな。
アメリカ史の断片に浸れる2時間48分は苦にならなかったけど、宣伝文句の「す
べては愛のために」は???。
(アニー・ムーア)
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