第1次世界大戦中のドイツ・イギリス戦線「ソンムの戦い」
2時間で6万人が死傷し、「20世紀最大の愚行」といわれた突撃。
その突撃までの48時間を描いた映画。
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<感想>
突撃命令が下るまでの最後の数十分の緊張が高まってゆくシーンは良い。
「戦場というのは、活発に動きまわれる場所ではなく、
穴の中でただ待つ待つ待つ」であるという心理描写が、
やっと最後になって実を結ぶ。
しかし、そこ至るまでの、兵士たちの心理描写や状況描写は、
ややテクニックに欠けていて、ドロドロとした雰囲気が伝わってこない。
新人監督のデビュー作とのことで、そういう目で見ると、確かに新人っぽい。
「映画作りって難しいんだなぁということを感じさせられた。
主人公の兵士をどういうつもりで描いたかはわからないが、
ああいう人間と一緒に前線には出たくないね。
ムダなことグダグダ喋ってんじゃねぇよ、って感じ。
ああいうヤツが隣にいたら、温厚な私でも蹴りを入れてるだろう。
そういうムカツクヤツを主人公にしたっていう点は斬新だ。
(加藤健二郎)
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