とてもクールなセンスの作品なので、次回は是非、和訳もお願いしたいところだ。
では、作者のひとりでもあるソエダヒロミさんに、紹介がてら感想を聞いてみよう。
------------------------------------------------------------------------------
昨年、一年の計として、友人であるフィリップ・ローランドの本発行の計画を 本人と彼の妻ベイさんと私と夫の四人で実現させようと言うことになりました。
これは、以前私がおもしろ半分に覗いた世界俳句大会の流れの一環でもあり、 (詳しくは万りーさんのリヴァームーンJ社のサイトを見てください)
私自身、詩人の彼が何か作りたいのなら、見届けたいという気持ちもあって、参加することにしたのです。
デザインは添田夫が担当。いろいろな試行錯誤の結果、日本の和綴じを採用することになりました。
作り方は、私の小説・俳句仲間である万リーさんにご教授願い、なんとか覚えたベイさんと私が中心になって、 しこしこ作りました。(簡易和綴じは万リーさんの「黒い犬の網焼き」で紹介しています)
和綴じは紙選びから気を遣い、下にコメントがありますが、自画自賛でなく本当に隅々まで気を抜けない作業の連続なんです。
でも一冊仕上げると、いつまでも撫で回していた気持ちになります。
本に対してそんなフェチっぽい気持ちになるなんて、自分でもびっくり。でもとてもうれしくもありました。
内容も、フィリップ・ローランド独自のセレクトでしかも配置まで細かく考え、ただ作品を紹介するだけでなく全体を通して大きな流れを生み出しているので、一冊が作品のようになっています。
もちろん、形態もそれに呼応しているわけで、本とは、一見極めて個人作業のような感じがしますが、様々な手を経て形成されるコラボレーションなのだ、と私としては改めて感じたわけです。
日本語の訳もあれば、もっと多くの方に見ていただけるのですが、今のところは英語のみです。
でも、日本人の俳人も参加していて、それほど難解ではないので、これを機にみなさんに関心を持っていただけたら幸いです。
以下はフィリップ・ローランドからの紹介文です:
Noonはヌーンプレス(東京発)が出版した短形詩のための本で、
三つの目的で作られました。
1.英語で書かれた(翻訳も含め)最も新しいhaiku、
特に今主流となっているものや伝統的な俳句雑誌で
目にするものとは一線を画す作品を取り上げること。
2.上記の作品を、より具象的で視覚的な詩を含めた
革新的な短形詩と同じ土壌て紹介すること。
3.以上のように多様な詩形を包括しているのでそれを生かすため、
詩一作ごとに1ページを割り振ると同時に、
本の一号一号が互いに刺激を受け合いながら
よどみなく全体を流れていくように創作すること。
たとえば、投稿者の名前は作品のページではなく
本の最終ページにまとめて掲載するという工夫を施しています。
*第一号ではイギリス、アメリカ、フランス、日本の詩人の作品を
取り上げています。
今回お届けしたNoon第一号は、和綴じのスタイルですべてハンドメイドで製本しました。
今後は部数限定のハンドメイド版と通常の製本版、両方向で秋頃をめどに展開していきます。
発行は年二回、春秋。
編集はPhilip Rowland。
ご興味のある方、またご質問などありましたら、下記までご連絡ください。
*日本語でも大丈夫です。
noon@jj.e-mansion.com
なお、さらに詳しいご案内は下記にて(英語)
http://www.nhi.clara.net/hk004.htm
発行に際し、熊本大学リチャード・ギルバート教授よりコメントをいただきました。
こちらで検索できます。(英語)
http://www.iyume.com/research/review/NOON.htm
<その他読者のコメント>
『この本は非常に想像をかき立てる。
レイアウトと写植は称賛ものだし、和綴じはサイズと内容にぴったり。
表紙はとびきり上等。
これは偉大なるデビューだ。自分の作品がその一端を担えてとても嬉しい』
ジム・ケイシャン:詩人、レッドムーンプレスの編集発行人、アメリカにおける
haikuとhaikuに関わるジャンルについては一流の出版人
http://www.haikuworld.org/books/redmoon/books.redmoon.html
『すごくハンサム。これまで読んだ本の中でも一流の一冊』
デビッド・ミラー:詩人、評論家、ロンドン大学では小出版物と小雑誌コレクション
の貸し出し・管理等を担当している
http://www.writersartists.net/dmiller.htm
『美しく作られている、中も外も。作品の配置は密接した関係性と深い一貫性を
啓示している』
ジョン・モートン:詩人、テル−レットポエトリーの発行人、アメリカ・イリノイ州
http://www.advant.com/users/jmartone/
『すばらしい、どのページにも何かがある。隅から隅まで非凡とも言えるほど
行き届いている』
ボブ・アーノルド:ロングハウスの発行人、書籍販売業者、現代詩の初版本の
スペシャリスト、アメリカ・バーモント州
http://www.longhousepoetry.com/
|